http://anond.hatelabo.jp/20071015180844
優れた技術は簡単に生まれるものではない。長い下積みを経て熟成された技術が、あるきっかけでキャズムを超える。それはちょっとした発想の転換だったりテクニックだったり、そして多くはマーケティングやタイミングだったりする。そのため、そこに至るまでの積み重ねから見れば、ギャズムを超えたその技術自体は大したものではない事が大い。しかし、革命とよばれる事により生ずる牽引力が技術の発展に与える影響は大きい。
例えばWWW。ティム・バーナーズ=リーがそれを公開したのは90年頃。このシステムはHTMLによるリンクと画像も扱えるブラウザ Mosaic の登場とともに爆発的な普及を遂げ、インターネットに革命をもたらした。しかし、このHTMLの基礎となる概念、ハイパーテキストは古くからある。そして60年代にはそれを使用したシステムNLSがあり、また、HTMLの記述方法の基礎SGMLも60年代のGMLを祖としている。これらの技術も、世界がつなげたTCP/IPやそれを支えたUNIX、さらにそれらのシステムを動かし、画像を扱えるまでに高性能化したコンピュータとそれを支えるLSIの製造技術の支えがあってのものである。そしてそれは、時間をかけて主要ブラウザの標準機能となったJavascriptをストレスなく動かすPCや、非同期に数多く寄せられるリクエストも処理できるRDBMやサーバを生み、古くからある技術を利用したAJAXやJSONPが新たな革命をもたらすといわれている。