僕が今までで一番強くて熱くて純な恋をしたのは中学生の頃だった。
当時恥ずかしくて女子と話すことができず、帰り道いつも遠くから彼女の姿を追っていた。
彼女は全くの反対方向に住んでいた。だから僕は帰り道、行きの三倍の距離を毎日歩いていた。
ある時一緒のグループになったことがあった。僕は友達と大きな声で騒いで気を引こうとした。
ある時一緒の掃除当番になったことがあった。僕は恥ずかしさから掃除をサボって先生に怒られた。
こんな風に3年間はあっという間に過ぎていった、そして卒業式の日が来た。
彼女は推薦で他県の県立高校へ行くことになった、馬鹿な僕は地元の馬鹿な私立高校へ入学する。
もう会えない別れがついに来てしまった。
僕は最後に卒業アルバムに彼女からメッセージを書いてもらった、『この二年楽しかったよ』。
僕は読むと「この三年間ありがとう」とだけ叫んで逃げて帰った。走って走って走りまくって家まで逃げた。
その日の夜、僕は眠れなかった。寝て次の日からはもう彼女に会えない生活になるのだ。
それが悲しくて、悔しくて眠れなかった。色々憎んだ、自分も神様も学校も先生も関係ないもの全て。
立ちこぎで冷たい風を切って、涙を流してることを悟られないようにうつむきぎみで。
途中で思い切りコケテ自転車の前輪がパンクした。痛みは感じなかった、
立ち上がるとパンクした自転車のペダルを傷だらけの足で思いっきり回した。
そして彼女の家の前についた。
彼女の部屋には明かりがついていた。僕はどうしようもなくなった。結局ここまで来ても何もできないのだ。
じっと明かりを見て、電気が消えてから自転車を押して歩いて帰った。
虫の鳴き声も星や月の明るさも川を流れる水の音も空しく感じた。
家に帰ると親に怒鳴られたが無視してベットの中に潜り込んでぐっすり眠った。
そんな中学生時代の恋。