なんかどっかで拾った話だけど
(ごちんまりとした)
前に一度大きな勝ちをおさめたことがあってさ
で、前と同じくディーラーのすぐ脇へ座ったんだよ、縁起がいいかなって
そうやって何回かチップを賭けている内、隣に座ってる白髭のジジイに見覚えがあるのに気づいて
それか1年前に会った人だったもんで懐かしくて
「あんた昨年の春も、その席に座ってたしょ」
と声をかけたら、真っ赤に充血した目を俺に向けて「ああ、もうそんなに時間が経ったのか。あれからずうっとここに座ったまま、賭け続けているんだよ」
そんな事を言いながら、ルーレットの玉の動きに注意を払っていた。ブダペストの金持ちはお金だけじゃなく、体力もありあまってるんだなって