なかでも、小・中・高校の不登校から「引きこもり」になった人は、わずか12%。「大学になじめなかった」人を含めても、不登校が長期化して「引きこもり」になる人は、20%に満たなかったこともわかった。これらの結果から、「不登校」から「引きこもり」になる人が大部分ではなく、むしろ「引きこもり」になりやすい人の一部が、早い段階で顕在化した場合に「不登校」になると説明したほうが理解できる。
再度確認しておくと、内閣府の調査では、「引きこもり」について、次のように定義している。
≪「ふだんは家にいるが、趣味の用事のときだけ外出する」「近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」状態が、「6か月以上」にわたり続いていて、「(引きこもる)きっかけが統合失調症または身体的病気」や「家事・育児をする」人たちを除いた人数≫
このうち、「自分の趣味の用事のときだけ外出する」と「近所のコンビニなどには出かける」人を合わせると、「引きこもり」の88%に上るという、そんな全体像も明らかになった。一方、これまでの「引きこもり」像の典型的なイメージが強かった「自室からほとんど出ない」タイプは、わずか7%に過ぎなかった。
また、前回も触れたように、「家や自室に閉じこもって外に出ない人たちの気持ちがわかる」などと答えた「引きこもり親和群(潜在群)」が推計155万人に上り、社会に出ている人たちの中にも「引きこもり」に近い意識傾向を持った人たちが広がっている状況も浮き彫りになった。
こうやって外に出れる、あるいは会社に行ってるのに引きこもり(症候群)だと騒ぎ立ててそれを問題化することで、不景気だから消費を促進させようという内閣府の意図がある 外に出...