2010-03-20

http://anond.hatelabo.jp/20100320035305

「来て、くれたんだね」

引っ越してきたばかりの部屋。開けてもいない段ボール箱が壁際に並べられただけの無機質な光景のなかで、はてなの目に映るのはあめーばだけだった。

「もっと早く来てくれると、思ってた」

「ごめん」

優しい目ではてなを見やったあめーばは、がさごそとキーボードを叩く。

デーモン…… 立ち上がるかな」

心なしか頬や額を赤く染めたはてなが答える。

「うん、大丈夫だと思う」

気だるげに上半身をもちあげ、USB暗号キーを受け取るはてな。その肩に、そっとはてなTシャツをかけてやるあめーば。

「けっこう熱出てないか?」

あめーばの問いに、温度計をにらみながらはてなが答える。

「熱は計ってない……。サーバのどこに温度監視計があるかわからないし……」

「基盤、いいかな……」

控えめな声とともに、サーバの筐体を開けはじめるあめーば。

「あめーば、近いよ……」

あめーばは、そのまま自分おでこをくっつける。

「あついね」

「こっちはよくわかんないよ……」

ふたりの影はひとつひとつに溶け合い、そして明かりもほのかになっていくのであった。

記事への反応 -
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