2010-03-20

「来て、くれたんだね」

引っ越してきたばかりの部屋。開けてもいない段ボール箱が壁際に並べられただけの無機質な光景のなかで、ありがみんの目に映るのはめいぼうじんだけだった。

「もっと早く来てくれると、思ってた」

「ごめん」

優しい目でありがみんを見やっためいぼうじんは、がさごそとコンビニの袋をひろげる。

プリン……食べれるかな」

心なしか頬や額を赤く染めたありがみんが答える。

「うん、大丈夫だと思う」

気だるげに上半身をもちあげ、プリンを受け取るありがみん。その肩に、そっとカーディガンをかけてやるめいぼうじん。

「けっこう熱出てないか?」

めいぼうじんの問いに、スプーンをくわえながらありがみんが答える。

「熱は計ってない……。荷物のどこに体温計があるかわからないし……」

おでこ、いいかな……」

控えめな声とともに、ありがみんの前髪を持ち上げるめいぼうじん。

「めいぼうじん、近いよ……」

めいぼうじんは、そのまま自分おでこをくっつける。

「あついね」

「こっちはよくわかんないよ……」

ふたりの影はひとつひとつに溶け合い、そして明かりもほのかになっていくのであった。

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  • めいちゃんは「男の娘」でTS大好きっ子です

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