俺は駆け出しの歴史屋なんだけれど、
こういう中途半端なエピソードが、面倒なんだ。
だけど小説家とかジャーナリストあたりは、大喜びで使っちゃうよ。
そのうち、筆がすべって「筆者が個人的に聞いた話では、、」とか、
いつの間にか本当になってしまう。
本人に確かめればいいだろう、と思うかも知れないが、
こんなこと聞く機会なんぞ、十把一絡げのモノカキや研究者にあるものか。
ああいうお金持ちの政治家が、秘書も連れずに青函連絡船で一人旅、
居酒屋で酒飲んで「俺には大望がある! いつかこの国を良くしてやるぞ!」
正直いって、俺の職業的勘からすると、バッカじゃなかろうかと。
創作だったら二十点だ。作り話は国を誤るので、絶対にやめるように。
だけど、もし万が一本当だというなら、
ちゃんとした新聞雑誌にでも投稿すればよろしい。それで世間の評判になって、
麻生本人が、いやいやそういうこともありましたよ、となるのが、