「人を育てる立場に立った時、最初に覚えるべき技術」
http://d.hatena.ne.jp/favre21/20071023#1193177742
最近、この手のエントリがブクマの上位にいるのをよく見かけるんだけど、若干の違和感がある。
新人・部下を育てるのは確かに重要で、それは上司の役割でもあるんだけど、もっと重要な役割が抜けていると思う。
即ち「仕事ができない人は会社には不要である」ということを伝える役割である。
このことをちゃんと理解していない新人は実際に結構いる。
そしてそれは無限ではない。
確かに教育を施して全く育たない人なんていないとは思う。
他の人より遅くとも、その人なりに、少しずつ成果は現れるだろうとは思う。
しかし、平均で1年でこなせるようになる程度の仕事を覚えさせるのに3年かかる人は、その後も同様な期間の教育を必要とするだろうことは容易に推測されるだろう。
結果どうなるか?
戦力にならない人が増え、戦力となる人がその穴埋めをする羽目になる。
その穴埋めを強いられる人は、戦力にならない人の教育もしなければならない。
だからどんな会社にだって、明示的でないにしろ、その「期限」は確かにある。
小さな会社なら辞めていただくことになり、大きな会社なら移動となる。
新人さんに聞きたい。
それを当然のことと思っていやしないだろうか?
いつまでも今の会社で今の業務についていられると思っていやしないだろうか?
会社を辞めさせられるなんてあり得ないと思ってやしないだろうか?
結局、全ては自分次第なのだと言うことを、新人さんは最初に知らなければならないと思う。
前述のエントリのようなことを上司にされるのを待っていてはいけない。
数年後、上司から「君は戦力にならないから…」と言われたとして、当然ながらそのツケを会社も上司も払うことはない。
ツケは全て自分が払うことになる。
本当に悪いのは、その悪い会社や上司に頼った自分なのだということを知らなければならない。
自分の将来を具体化し、会社や上司を自分の将来の具体化に巻き込んで利用する方法を考えなさい。
そして、自分の将来に会社や上司が不要であれば、今すぐ会社を辞めなさい。
残念ながら育たない人というのは現実にいる。
件のエントリには「それでも育たない人がいる」という視点が抜けている。
「ちゃんと育てれば使える人になるはず」というような考えは、間違いであると断言する。
(うがった見方をすれば、コンサルタントに携わるものがそれを知っていたとして、それを言うことがあるだろうか?)
この事実をマネジメントの底辺に据えないと現場は疲弊することになる。
誰が最も疲弊するか?
育たない部下を持った上司である。
そんな部下を持った上司は、それが人間的にいい上司であればあるほど消耗する。
そして、いい上司であればあるほど「それでも育たない人がいる」という事実を無意識下に避け、件のエントリのような内容に惹かれる。
結果、育たない部下をそれでも懸命に育てようとして上司はおしつぶされていくことになる。
だからこそ書いた。
id:finalvent氏はこのエントリをして「ますだ陰」と評した。
全くその通りである。
こんなことを前面に出していたら組織は成り立たない。
これを事あるごとに部下に言う必要は無い。
たった一度だけ、心に刻ませればいい。
件のエントリを読んで「こんな上司いいなぁ」「私の上司はまさにこんな人。良かった」なんて思っている君。
君は上司を消耗させているのだと言うことに気付きなさい。
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