2007-10-16

http://anond.hatelabo.jp/20071016142219

世界1物理的事物、物理的状態の世界

世界2私たちの意識、心的状態の世界

世界3客観的思考、特に人間精神の知的・文化的産物の世界

ポパー哲学元ネタカント哲学なんで、『純粋理性批判』を読んでない身で釣られるのはまずいんだが

ざっくり言うと

世界1→世界2をするのが「感性

世界2→世界3をするのが「悟性」

という感じ。世界2は時系列生データ世界で、クロックもスケールもセンサーや測定装置(心)のスペック依存した形でしか意味を持たない(ただ適応制御するだけなら単位系は要らない)。世界3というのはSI単位系とかそういう数学的形式の世界なので普遍性客観性があるわけ。まあこれ以上言うと(いわゆる「心の哲学」)ぼろが出そうなんで『科学発見論理』まじめに読むことにしますよ(正直長くて厚いわりに文章が面白くなかったような印象がある)。

あとポパーがこういうことを言った背景ってのは、「論理分析でトンデモ科学を殲滅できる」という、世界3に寄りかかりすぎた新手の哲学が当時流行っていて、それに対する反論だったのです。彼ら「論理実証主義者」ってのは哲学的にはロジカルでポジティブな人たちだったので(だから logical positivism)、実験手順とかをきちんと論理的に記述すれば実験の再現ができるし、それでもって普遍性は確保できると思っていた。間違えちゃいけないのは彼らは(ポパーにしてみれば)世界3に寄りかかりすぎていたことに自覚がなくて、むしろ俺たちは直接世界1に触れているんだと考えていたので、「唯脳論」者とは対極にある人々だったことです。

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