はてなキーワード: 国富ファンドとは
上海証券新聞は2月24日、中国投資公司(CIC)が2008年度に100億ドルの利益を出した、と伝えた。配当は5%を確保できた、という。CICは中国初の国富ファンドで、外貨準備高から2000億ドルを回して07年に設立。
「ん?」
CICはブラックストーンに50億ドル、モルガンスタンレーに30億ドルを投資し、昨年リーマンショックで株暴落後、時価が20億ドルに減少、「もう海外投資はしない」と言っていたんじゃありませんか?
英字紙『チャイナ・ディリー』(2月25日)によれば、同行は流動性の高い金融商品におよそ900億ドルを投資して配当を得たという。
主な投資商品はと言えば米国債、財務省証券などの配当が30億ドル。これにくわえて国内の中国銀行、中国建設銀行への出資分への株主配当が「相当」あった由。
これって、日本で言う“タコ足配当”。
その中国建設銀行は、58億ドルの社債(劣後債)を新たに発行すると言うから、これも摩訶不思議。同行は時価発行総額では世界第貳位。
10年物の利息が3・2%、15年物が4%の配当を謳っている。中国建設銀行の劣後債を海外投資家が買うとは思えないので、中国国内の「投資家」が買わされるのだろうけれど、お笑いだったのは、中国国内の格付け機関、CICCがトリプルAを格付け。史上最悪の金融詐欺CDSを抱えていたファニーメー、フレディマックにAAAの格付けをした、どこかの国のそれと違って身内お手盛り、ってわけですね。
さらに驚くべきニュースがある。
中国は国内の国有銀行にこれまで禁じてきた株式購入を解禁したことだ。
それもこれも中国政府は景気テコ入れとして四兆人民元(5850億ドル)もの景気刺激策を発表したが、実際に中央政府は30%しか負担せず、残りは地方政府が調達する。
となると行き着くのは銀行からの借り入れ。銀行には預金が増えていても貸し出せるカネがない。だから社債を出し、その銀行の株価を支えるために銀行が株式投資をするのを許可した(もっとも、これまでも内緒で銀行が株式投資をしていたのは中国では常識だけど)。
旧正月は、ことしは1月26日だった。このため実際の一月ビジネス稼働日が少ないため、中国国家統計局は一月統計を発表していない。株式が30%上昇し、バルティック指数が二倍になり、鉄鋼が20%値上がりに動き、運輸人口が60%増えたとは言っても、それらは旧正月の小売り急増によるもので、通年の統計にはならない。
中国人も預金がすきである。国有企業に働いた者には年金もつく。
中国の年金基金は2007年に4397億元規模だった。08年は525億元に増え、当局は上限20%での投資を認めている。その裡の6%が海外投資にまわっているが、理事長の戴相龍は「もっと海外投資に力を入れる」と言明している(ウォールストリートジャーナル、2月26日)。