はてなキーワード: ボイルドエッグズとは
いうまでもなく雷句誠さんネタ。昨日、電車に載っているあいだにちょっと考えたので、まとめてみる。現実的なものから、非現実的なものまで。いずれもどこかで既出のものや誰でも思いつくものばかりだけども、ネットでいろいろ読んだので、それがごちゃ混ぜになっています。
編集者が出版社から独立することで、漫画家と立場が対等になり、リスクが同じになる。更に編集者の収入についても、作品の印税に比例して一部支払われることにしておけば、まさしく運命共同体となる。必然的に編集者は、会社員編集者よりも作品に力を注がざるを得なくなり、作品の質も向上する。もちろん、異動もないので、最後までその作品に対して責任を持つことができる。
すべての編集者が独立しなくとも、一部が独立する体制ができるだけで、十分会社員編集者に対する抑止力になる。もちろん、フリーの編集者についても、人数が増えてくれば、問題も発生するだろう。それに会社員編集者だからできることもある。無論、どちらにしても不真面目な編集者が淘汰されることを望むのはいうまでもないが。
この場合、編集者もフリーで仕事をしていることから、作品の奥付に編集者の名前を刻むなど、共に作品をつくっているという意識が漫画家に対してもより必要になってくることはいうまでもない。
漫画家と編集者の関係性が破綻する理由のひとつに、漫画家に細かい契約云々に掛ける暇と手間がないことがある。だからこそ、理不尽な専属契約を結ばされたり、対等な交渉ができなかったりする。
それならば、それ専門の人材をつくってしまえばいい。漫画家は漫画を描くことに集中し、著作権(印税率なども含む)や作品のメディア展開、連載についてのあれこれなどは、漫画家と契約した代理人が交渉する。漫画家は自分の要望を代理人に伝え、共にそれが可能かどうかを検討したのち、代理人が出版社と交渉する。作品自体の扱いも、ここに含めることで不当な打ち切りや延長を回避することができる。
実際にアメリカで著作権エージェントとして似たようなことをして活躍している会社はある。日本でも小説の世界ではボイルドエッグズ(http://www.boiledeggs.com/)という会社がこういった事業を行なっている(三浦しをん、滝本竜彦、万城目学などを輩出)。漫画家にとっては余計な出費が掛かるという欠点もあるが、原稿料などの交渉をプロが行い、不当に買い叩かれることを防ぐことで、必ずしも収入的なデメリットにはならない。
編集者が独立するには編集者側からの行動が必要、著作権エージェントと契約するにも環境が整っておらず時間が掛かる。では、漫画家が悪徳編集者に対抗するためにすぐにできる対策は?と考えたのがこれ。
漫画家が何人かで、著作権を管理する会社を立ち上げる。有名な漫画家は著作権を管理する会社を立ち上げている人が多い。それを共同で立ち上げるなり、既に立ち上げている会社に参加する。そうすることで、もし漫画家側と編集者側とのあいだで問題が起こったときに、共同で対抗することができる。
もし、編集者が気軽に打ち切りで脅してくれば、加盟している漫画家全員がその出版社において連載している漫画を休止する(ストライキ)と脅すことで対抗することが可能になる。最悪の場合、その出版社で出版している全員の作品をすべて引き上げると対抗することも可能。実際に脅したり、実力行使をしなくとも、そうすることもできるということを示すだけでも出版社に対する抑止力となりうる。更に新人や中堅の漫画家一人ではどうにもならないことも、何人かで組めば影響力を発揮することもできる。
漫画界全体でもいいけれど、それだと大きくなりすぎて動きづらい。比較的小さい組織のほうが動きやすい。更に、集団で知識を分け合うことで、横の繋がりや情報も生まれ、不当な扱いもされにくくなる。ここで書いていることはもちろん最終手段だが、編集者に不当な扱いをされ続けるならば、実力を行使できることを示すことだけでも意味があるように思う。