はてなキーワード: ライフゲームとは
http://anond.hatelabo.jp/20071101140722
はてラボで独立サービスとして始まった匿名オセロは4週目に突入する。
匿名プレイヤーは、その能力は別として常に勝ちを目指すウィナー、正反対のルーザー、白黒の均衡を取ろうとするバランサー、何も考えてないランダマイザーに大別された。それらが白黒手番を自由に行き来するため先読みが封じられ、指し手が凡手に均質化した結果、各局はほとんどが僅差で終了した。個々の局面を見ればそのプレイヤーのパターンなりに、他のプレイヤーの思考まで取り込んだ妙手は存在した。しかし、不特定多数の匿名であるがゆえ、その意図は推し量ることもできなかった。したがって鑑賞されることも省みられることも無く数多の対局に埋もれていった。プレイヤー達はいつしか考えることを止めた。
だが惰性からなのか、何かしらの繋がりを求める人の性からなのか10週を超えても延々とプレイは続く。そしてマンネリを恐れた開発陣によって、ついにある機能が追加されてしまう。
http://portal.nifty.com/2007/04/25/c/
『盤面拡張』は手番の一つとして用いられ、終局を迎えていない局にはいつでも適用できた。これによりダイナミックな展開が可能となり、匿名オセロはまだ十年は戦えるはずだった。しかし参加者は確かに微増したが、徐々に広がっていく盤面に、プレイヤー達は思考しようとする心を折られた。プレイは半ば無意識に進んでいった。
そして1万5129局目。ある増田が、もはや常人には捕らえきれないほど広大になった盤面の隅に、ある文様を見つける。「Cogito, ergo sum」それはそのように読めた。増田集合知性の創発であった。発見者が公表せずはてな運営に通報したのは慧眼だったといわねばならない。集合無意識によって作り出された盤面知性は、プレイヤーが認識してしまえば胡散霧消してしまう。そのような類の、はかないものだったから。
それがプレイヤーの悪戯などではないことは一番最初に運営による厳重なチェックを受けた。ライフゲームよりも単純なルールの行く先に知性があるなどと誰が想像しえただろう。しかしそれはそこに存在したのだった。はてなが匿名オセロで何かを行っていることを知覚したプレイヤーは運営により注意深く取り除かれ、運営が募集した何も知らないプレイヤーが補充された。
はてな運営と増田集合知性との間の注意深いコンタクトが始まった。コミュニケーションや思考などの活動は勿論盤面の周縁部で行われており、運営が棋譜を精査した結果、and、nand、or等の論理回路局面が確認された。盤面内部は記憶に相当し、中央にいくほど長期記憶であることなどが判明した。盤面知性との共通言語を獲得するまでもう一息だった。
『盤面拡張』機能追加時からプレイヤーに新たなタイプが加わる。彼らは盤面の拡張を封じ局面を終了させることを目的としていた。彼らはエンダーと呼ばれた。広がりすぎてもはや誰にも止められないだろうと思われた1万5129局であったが、ただ一人の天才的エンダーにより最後の一手が打たれてしまう。運営は彼を取り除くべきかどうか何度も検討した。しかし彼もまた一人の無自覚なプレイヤーであり、時として盤面知性の重要な一部を担っていることが明らかであったので結論はそのつど先延ばしにされた。彼が究極的な一手を打ったのは、彼の処遇を巡る何度目かの会議の最中であった。それを知ったid:jkondoは「神よお許しください。彼は自分が何をしたかわからないのです」と叫んだという。
後に、全てを運営により明らかにされた彼は、その類稀なる能力を持って棋譜と盤面を読み解き、人工知能分野にいくつもの大きな波をもたらした。彼を『死者の代弁者』と人は言う。
このことを知ったあるアルファブロガーによる「コックリさんも集合知性を生み出せる」というエントリーがid:NATROMによって迎撃され大炎上することになるのだが、まあそれは別のどうでもいい話である。
極めて残酷な話をすると、腕のいいプログラマで、最初の一歩を自分で踏み出せなかった奴って見た事無い。適正の問題なんだろうな。
ゲームだったりBASICだったりCGIだったりライフゲームだったりはするが、みんな自分で興味のあるものを見つけ、自分でやり方を調べ、必要なものを調べ、独力で始めてる。
質問するとしても、やれるところまで自分でやってみて詰まったら質問する、それが当たり前だろ?という奴ばっかり。最初から他人に聞いて済まそうとする奴はいない。
目の前にインターネットに繋がったPCがあって、どうやったらプログラムを作り始められるか悩んだり人に聞いたりする奴は、恐らくプログラマに向いていない。
まあ、プログラム/ゲームが昔より複雑になっている、というハンデはあるけどな。プログラムとは非常に難解で素人には出来ないものだ、というイメージが付いちゃってる。「作れそうな範囲で作りたいものを見つける」というのは、何気に趣味のプログラムで一番高いハードルだしね。
とりあえずプログラミングの本買って来い本。