2023-11-18

俺は時々夢を見る。

それは、この国の、誰も見ていない路地で倒れ、

雨に打たれたままうずくまり、動かなくなっていく夢だ。

その時、俺を待ち受けていた誰かが戸口から現れて、

「分かった?分かったでしょう」と言ってくれる。

俺には、もうそれが男なのか、女なのかさえわからなくなっている。

けれど、こここそが、俺の安住の地だったのだと、

まるで生まれて初めて安心したような気持ちで死んでゆくのだ。

  • そういうことを言うのは女だぞ。 性別が分かってよかったな。

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