商君の法に曰く、『一首を斬る者は爵一級、官と為らんと欲する者は、五十石の官と為す。二首を斬る者は爵二級、官と為らんと欲する者は、百石の官と為す』と。官爵の遷ること、首を斬るの功と相称うなり。今法有りて『首を斬る者は医匠と為ら令む』と曰わば、則ち屋成らずして病已えず。
夫れ匠は手巧みなり。而して医は薬を斉するなり。而るに首を斬るの功を以て之と為さば、則ち其の能に当たらず。今官を治むるは智能なり。今首を斬るは勇力の加うる所なり。勇力の加わる所を以て、智能の官を治むるは、是れ首を斬るの功を以て医匠と為すなり。
故に曰く、『二子の法・術に於けるや、皆未だ善を尽くさざるなり』と。」