2016-11-25

わざとではない

幼い頃、寒い日の早朝。

薄手でリビングに行くと母によく怒られていた。

「そんな薄手で!!! もう!!! 風邪でも引いたらどうするの!!!

眠くて「うーん」と適当な返事で返すと、母は自分が着ている上着を私の肩にかける。

「ちゃんと着なさいよ!」

「うーん」とまた適当な返事を返しながら、私はとっても嬉しかったりしていた。

わざと、上着を着てこないわけではない。

朝起きるとリビングはもう暖かいし、眠くて忘れている。

本当にわざとではない。

でも、母が着ていた上着は暖かくて好きだった。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん