2015-06-10

巨根

私が18歳のころ一度だけ見て、触った。

細身の人だったが、その部分だけ独立した別の生き物のようだった。

視覚的にはアンバランスであり、調和を欠いており、ゆえに心惹かれた。

その様子を自分で絵に描いてみたこともある。

でも、絵ではだめなんだ。

紙の上に描かれた巨根は、ヘンリー・ダーガーの描く「男根を有する少女」のように魅力的だが、どこまでいっても非現実

あの不思議な魅力は、アンバランスなそれを見て触れた瞬間にいや増す。

その瞬間の幸福感を何にたとえたらよいだろうか。

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