苦しく、すぐに死んでしまうかもしれなかった彼は小説を書き始めた。
顔のない男がユニクロへ行って、殺されてしまった。シーツの中でもがき苦しむが、彼の声は届かなかった。
試着室の左、奥から二番目の密室では、彼を振った女と僕が色めこうとしていた。チェーンソーの稼働する音が男の高笑いと共に聞こえてきた。
彼は唇をわなわな震わせて、悲鳴を上げていた。びちょびちょびちょ。何かの飛び散る音を聞いた気がした。
グレイ。男の名はグレイ。彼はまだ4つになったばかりだった。
Permalink | 記事への反応(0) | 20:01
ツイートシェア