ベッドに横たわりながら、あぁ、ベッドは濡れないんだ。なんて今更ながら思う。
あの日、あの湿った布団の上で私とあなたは見つめ合う。
布団の裏側は濡れて冷たいのに、私たちはそんなこと気にせずに抱き合って
汗をかいては布団から抜け出し、体を冷やしてはまたくっつくを繰り返す。
あと2ヵ月で梅雨がくる。
もう、布団を濡らすことも布団で抱き合うこともない。
あれから何回雨が降ったのだろう。
ベッドにしたいと言ったのは私だった。
布団で寝ればあなたを思い出すから。昔の私はなんて愚かなのだろう。
昔の私はなんて愚かなのだろう。もう一度あなたを思い出したい。
あなたのにおいを
あなたの温度を
あなたの肌を
雨が降っても流れない。
あの、布団の裏側についたシミのように
心の裏側に今も大きなシミがついている。