2011-10-29

流星 堀口大學

静夜の空に星が一つ消えた

虚空の底へ星が一つ流れた

 

われ等の生命 つかのま光り

音もなく静夜の底に

虚無への道をとる

 

夜天いよいよに澄み渡り

静夜いよいよに深い

天は永劫のかたちに残ってゐれば

いま一つの存在がほろびたのだと

一瞬の後 誰が思はう

 

静夜の空に星が一つ消えた

虚空の底へ星が一つ流れた

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