2010-12-25

(生まれてからずっと)きよしこの夜

誰も私にプレゼントをくれない。誰も私をダンスに誘ってくれない。シャンパンは、どこで買えるの?ケーキはどうやったら食べきれるの?チキン。もうチキンに至っては、ほんともう内心そんなに食べたくないけど、チキンなんでしょ?今日って。 買ってきた照り焼きチキンかぶり付いて、チキン片手にドレスを着て、寝てたシーツを引っぺがしてベールのようにして、シャンパンが売り切れた店で買ったワインの、完全にペットボトルたいな蓋をあけて、その下についた輪っかを左の薬指にはめて、チキンをブーケにして、 私、結婚します。 この孤独と。孤独という名のクールなおまえと。おまえはすげぇ。おまえといると、毎日が自由で、毎日が宿題で、毎日に結論がない。おまえを突き付けられると、あわあわと焦るというのに、おまえの気配を感じると、いつもどこかホッともしてた。ホッともっとローソン。 これじゃないものを、愛せないかもしれない。これじゃないものと、暮らせないかもしれない。 だから結婚してくれよ、孤独よ(あと、ローソン)。私を離さないで孤独よ(あと、セブンも)。 孤独さま、あなたを射止めるために、今日は空けておいたの。あなたダンスしたいの。クリスマスだもの。今夜、来てくれるんでしょ?真っ先に私のところに。山下達郎やマライヤキャリードヤ顔に鼻フックして、その二本指をピースに変えて、私のところに一歩、さあ一歩。 たくさんの漫画DVDも、あなたなくしては、ない。大泣きした夜も、悪酔いした朝も、あなたなくしては、ない。30歳の私には、あなたなくしては、ないわ。 お気に入りエロDVDガンガンにかけて、隣人に宣戦布告をしてさ、黒船じゃああああ!!って叫んだ私を背後から抱きしめて、どげんかせんといかん…って囁いて。ああ、夜が更けていくように、私もふけていくように、暮れていくから途方に暮れて、12月の24日は死ねいいんじゃないかな。駅の階段でこければいいんじゃないかな。この先、一生、改札に逐一全部挟まれればいいんじゃないかな。 それを孤独と腕を組んで歩いてきた私に鼻で笑われればいいんじゃないかな。

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