2010-12-23

パチンコとか借金とかの話

最近パチンコが良いとか悪いとか言う話を見かけるので書いてみる。

意志の弱い人間がパチと借金にハマったら人生終わったよという、よくある話。

俺が生まれた街は、パチンコと飲み屋くらいしか遊び場のない田舎で、父もパチンコが好きだった。

同級生の友達や建築職人仲間、パチ友達、時には祖母とも一緒にいた。日曜は昼飯ができたらパチ屋へ迎えに行って連れて帰るのが小学生の俺の仕事で、パチ屋でガキがうろうろしていても誰にも不審がられることはない雰囲気だった。父親の膝でボーナス止めて遊んだ記憶があるからスロット打ちだったんだろう。

仕事で稼げなかったのかパチンコで負けが込んだのか、浮気でもして女に使ったのかは知らないが、一度数百万の借金を作って離婚寸前まで行った。母方の祖父から譲られた家も抵当に入っていたらしい子供も小さいし、心を入れ替えてやり直すなら生前贈与と思って使え、と祖父が精算してくれたそうだ。

酒もタバコパチンコもやめて、父は真面目に生きることにした仕事テレビ、週刊マンガ誌、ファミコン、時々友達から本やマンガを借りてくるのが俺の覚えている父の生活。たまたま仕事も順調にあってそれなりに稼げていて、酒やタバコは許され、見習いを取ることもあるくらいにはなった。

でもあれは恐らくバブルの時期だったんだな。会社が抱えてる職人じゃ足りないかフリー職人にも仕事が回ってくる訳で、景気が悪くなって新築改装案件が減ると、仕事は激減した。折悪く母が入院してパートもできなくなった。生活が困窮し、パチンコで稼いで何とかしようと思い、再開。仕事が無い日は朝から晩まで打って、研究して、あろうことかそこそこ稼いでしまった。生活費入院費を払って窮地を乗り切り、へそくりの隠し貯金も作っていた。

たぶん父は、それでもう、オレはパチで生きていける、仕事もないし真面目に働いてもソンだ、と思ったんじゃないだろうか。

その後、俺は就職して田舎を離れてしまったので、全てが終わったあとで聞かされた話。

すごく分かりやすい破滅。

仕事をする振りをしてパチで稼いだ金を母に渡していた父だが、途中から勝てなくなっていた。物入りも重なり、以前作った貯金すっからかん

消費者金融から金を借りて母に渡し、残りをタネ銭にする。

返済が滞り、雪だるま。友達親戚仲間に頭下げれば借りられる程度のカネは全て借りて、俺も「発注主に逃げられてカネが入らず困っている」などと無心されて、嫁に相談していくらかの金を渡した

いつしかヤミ金に借りて利息も返せなくなり、取立てが来るようになって発覚。

弁護士を入れて清算して、ヤミ金の分は白紙。消費者金融から過払い金が返ってきて弁護士料払っても手元にいくらかカネが戻って自己破産を免れたが、本当はまだ隠していた借金があったらしく、ブラックなのでヤミ金に借りてまた首が回らなくなった。

祖母の年金を抵当にカネを借り、母の少ない持ちアクセサリを結婚指輪にいたるまで売り飛ばし、気の弱い友人の名義を借りて消費者金融で限度額まで借り、最後に見知らぬ婆さんからカネを取り上げようとして捕まった。

そのやり口はあまりにも適当で、もう、借金に追われ疲れて破滅したかったんじゃないかと思う。

さすがの母も離婚して、父を叩き出して実家に帰らせた。たまに父の姿を見かけたと伝え聞くそうだから、生きてはいるみたいだ。

俺のケータイの番号も住所もずっと変えていないが、あれからからの連絡はないし、俺も父に電話してみようとは思わない。

パチンコは楽しめる範囲ならいいけど、ATMであと一万借りて入れたら大当たりしそうな気がしちゃうタイプの人、借りる前にちょっと考えてみてね。と言うお話

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