ふられた
僕にとって初めての彼女だったんだ。
嬉しかったよ。本当に嬉しかったよ。
この楽しい毎日がずっと続くと思っていた。
でも3年後、終わりは突然やってきた。
ふられた。
些細なことの積み重ねだったかもしれない。だけど彼女はもう僕との関係を保てないほどのつらさを感じてた。
彼女に別れを告げられて、僕の心は壊れてしまった。悲しみと苦しみと、そして彼女を傷つけてしまったことへの自責の念とで。
死のうと思った。
何日も何も食べずにいた。土砂降りの日の真夜中に川に入っていったこともあった。
でも死ねなかった。全部中途半端。死なない程度にしか何も出来なかった。結局死ぬ勇気もなかったんだ。全部周りの誰かに向けた構って欲しいのポーズだったのだろう。
僕は無様に生き続けた。色を失った灰色の世界で。
何もかもが灰色に見えた。何にも興味がわかず、すべてのことから逃げ続けた。
でも、僕が幸運だったのは、助けてくれる人、支えてくれた人がいたことだった。
僕は非コミュだけど、数人だけだけど、心を許せる人たちがいた。友達、先輩、家族。その人たちのおかげで僕は今までどうにか生きてこれた。彼らには本当に感謝している。
別れて1年くらい経った頃に、僕は彼女に復縁して欲しいと伝えた。僕は彼女を諦めることが出来なかったんだ。
まだ好きだったんだ。僕の心はあのとき壊れた。でも彼女への気持ちは変わってはいなかった。
そのときの彼女の答えは、今は一人だけど、少し考えさせて欲しい。
僕はいつまででも待つと言った。淡い希望と、悲しみを抱いて。
さらに2年くらい経って、僕らは就職して別々の場所に移っていた。
その間、彼女とは別れて数回しか会っていなかった。会ってもたわいのない会話をする程度の仲だった。
復縁の返事はもらえていなかった。僕はもう彼女は返事はくれないのだろうと思っていた。もう彼女の中ではすべては終わったことなのだと。
僕の心も少しずつだけど、平穏を取り戻せるようになってきていた。どうにか毎日を過ごしていたんだ。何の希望も、生きる目的も、何も何も無い毎日を。
それなのに、彼女が急に僕の住んでいるところに遊びに来ると言い出した。僕と遊ぶために。
嬉しかったよ。
そしてその日。彼女は僕とまた付き合って欲しいと言った。
彼女からだよ?
灰色だった世界は色を取り戻した。鮮やかな色を、輝きを。
僕がこの世に生きている理由を取り戻せた。
遠距離恋愛だったし、僕は毎日メールした。なるべく電話もした。週末時間があれば必ず彼女の元に行った。僕のところに来てもくれた。
楽しかった。すべてが楽しかった。
結婚の話もした。それぞれの親に挨拶をしなきゃとかそいういう話もした。
僕は彼女と一生を一緒に過ごせるのかなと思っていた。彼女もそう思ってくれてると思っていたよ。
でも終わりはまた突然やってきた。
ふられたよ。こっぴどく。会ったとたん別れを告げられた。半ば一方的に。
理由は昔と同じところにある。
彼女には重荷だった。メールも電話も、会いに行くのも。親しい友達と会う時間が無くなってしまうのも。自分の自由が奪われるのが。
僕には彼女がすべてだった。でも彼女にとっては僕はすべてではなかった。友達よりほんのちょっと上の存在。そんなところだったのだろう。
好きだったわけじゃない、そうも言われた。
僕と彼女は考え方も価値観も違う。それはわかっていたはずなのに。
じゃあ何故彼女はまた僕の元に戻ってきたのか。僕を二度殺すために戻ってきたのか。もうわからない。何も考えたくない。
そして何故僕は再び彼女を傷つけてしまったのか。こうなるのはわかっていたはずなのに。
再び、あの日と同じように、僕の世界は灰色に戻ってしまった。
生きる意味も、希望も、また何もわからなくなってしまった。苦しい。
二度壊れた心はもう元には戻らないんじゃないか。
死ねるものなら死にたい。この苦しみから逃げられるなら逃げたい。でも逃げたくはない、無様でも生きていたい、そう思いたい。
誰かに何かを言いたくても言う相手もいない。話を聞いてくれる人はもう僕のそばにはいない。結果こんなところに長々と書いてしまった。すなまい。
たった一つ今考えられるのは、何故彼女は僕の心だけなく、すべてを殺してくれなかったのか。いっそ殺して欲しかった。そんなことを考えている。
キメー。 いい年した男が一人の女に依存してないで自立しろよ(呆)
縁がなかったんだよ。次いこ。次。
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