第66回「官民賃金格差と地域の発展」(2007/12/10)
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むしろ、因果関係を逆にして考えるべきではないか。公務員の賃金が地域の賃金水準よりも高ければ、有能な人材が公務員になり、ビジネスには集まらない。だから、地域の経済発展が遅れるのではないか。
かつての中国には科挙制度(官僚登用試験)があり、それゆえ、有能な人間がこぞって役人になろうとした。中国では、商人になったり、技術者になったりすべき有能な人間が皆役人になったので、経済発展も技術進歩も遅れた。共産中国になっても、有能な人間は党官僚になることを望み、ビジネスや技術開発に向かわなかった。
1970年代末に改革開放路線が採用され、有能な人間が党官僚になるだけでなく、ビジネスや技術開発にも携わるようになった。そうなって初めて、中国は発展を始めた。
日本の中で、改革開放路線以前の共産主義を実施していれば、発展するはずがない。地方も、改革開放路線に転換し、有能な人間をもっとビジネスや技術開発に開放すれば、展望が開けるのではないだろうか。