http://anond.hatelabo.jp/20100203021910
僕が彼女に言えない事
僕は昨日まで童貞だった。(正確に言うとそうじゃないかもしれないんだけど)
昨日までってことはつまり、昨日卒業してきたってことだ。
別に童貞が恥ずかしいことだとは思ってなかったので、彼女にも自分が童貞だってことを隠していなかった。
それで昨日、なんかいい雰囲気になって、それまでは軽く触れるくらいだったキスが明らかにエロい感じのものになった。
で、結局スキンシップが加速して最後までしてしまった。
そこまではいいんだ。
もしかしたら自慢話と受け取られるかもしれないし。
問題があるとしたら僕はキスや愛撫が(あくまで童貞としては)上手かったことだろう。
彼女にも「初めてとは思えない」と言われた。
それもそうだろう女性相手は初めてだけど、女性が相手じゃなければ初めてじゃない。
男とならいくらでもしたことがある。
これは僕がウリセンという、男が男に体を売るというバイトをしていたから。
(略)
でもウリセンやってましたなんて言って、振られるだけならまだいいけど、彼女はショックを受けるかもしれないし。
彼女のことは好きだし、多分彼女も僕のことを好きだろうし、振られたくないし、傷つけたくないし。
僕はどうすればいいんだろう。
もし良ければ皆さんの意見聞かせてください。
意見、というか、問題の切り分けだけ少し、しておくね。
たぶん、問題は大きく二つに分かれるよね。
ひとつは、「どうすれば、彼女との関係を荒波を起こさずに維持できるだろうか?」という問いかけ。
もうひとつは「ウリセンであったことを、隠したままで自分自身が納得出来るのだろうか?」という問いかけ。
とりあえず、前者を「関係維持志向」、後者を「真実承認志向」と名づけてみる。
まず、関係を維持しようと考えた場合の具体的な検討内容は
・「彼女がどういう人なのか」という、彼女という人の<現在の>メンタリティをどう考えるか。
・それと、元増田さんと彼女さんとが、いま現在の段階でどの程度まで深い信頼関係を築けているか。一緒に過ごした時間の長さとか、どこまでぎりぎりの会話をしたことがあるか、とか。
といった要素になるのかな。
どちらも、詳しくはわからないけれど、彼女さんが、ゲイとか、バイとか、そういう世界にぜんぜん縁がなくて、それを「想像」してみることもないような普通の人だった場合、反応は予想がつかないよね。言わない方がいいかも。
はてぶでcheapcodeさんのお書きになられていた
1.本屋に走る 2.SEXテクニック本を大量購入 3.実はこれで予習して…と恥ずかしそうに告白(おもむろにではなく、何度か問い詰められてから、観念した風で) お互い、知らない知らせない方がいい事はある。
という方向とかがベストな世間知、ということになるかもね。
その一方で、「ウリセンであった」という<真実>をかくしておけるのかどうか、という問いかけで考えた場合には、問題の見方が、まったく変わることになるよね。
特に、結婚だとかも見据えて、長期的な関係を構築しようという場合は、たぶん、「言えない秘密を抱えていること」に息苦しさを感じてしまう可能性は出てくると思う。いまの彼女さんが、数カ月とか、せいぜい1年、2年で別れるような関係だとしか思えないのならば、わざわざ言う必要はないとは思うけれど、本当に、長期的に人生をかけてお付き合いをしていく相手ならば、清濁合わせて飲み込んでくれることは期待したいよね。(ウリセンが、「濁」だとはたいしておもわないけれど)
こういう発想をするのであれば、ウリセンでした、ということを逆に言ってしまったほうがいい、ということになるかもしれない。そういうことを飲み込めない相手とは、人生をかけてお付き合いをできないかもしれない。こういうふうに考えてもいい。
ただし、これはやっぱり年齢の問題もある。
良い家庭で生まれ育ってきた、素朴な20才前後ぐらいの日本の女の子がいきなり、ウリセンの話を聞いたら、やっぱりショックかもしれない。
数年して、いろんな世界を知って、いろいろな世界を飲み込めるぐらいの許容度が彼女についたであろうと思える瞬間を見計らって、告白する、というでもいいのかもしれない。
数年しても、「ウリセンだった」という事実を飲み込めるような期待すら持つことのできない程度に、性規範について保守的な感覚を捨てることのできなさそうな子であるならば、それは早いうちに見限ってしまったほうがいい、ということもあるかもしれない。
そういった部分で相手のことを判断しながら、「どのぐらい長期的にお付き合いをしていくか」を、お付き合いをしながら決めればいい、と。そういう発想はありだろうとは思う。
ただ、やっぱり、「お付き合いを続けながら相手の感覚を理解していく」にせよ、その過程で何度か体を重ねるわけだから、「そんな体でわたしと寝たの?」ということを問題にしてしまうような子かもしれない。そう考えると、お付き合いを続けながら、相手との関係性を調整するにせよ、何にせよ、やっぱり体を重ねることには慎重になったほうがいい、ということはあるかもしれない。「本当は、あんまり、セックスが好きじゃないんだ」とかなんとか、そういうフリをして、何かしらの手は打っておかないと、いざ告白する段階になってそれまでの行動で、元増田さんの「誠実さ」が測られてしまうかな、とは思う。
以下、余談。一応の補足みたいなもの。元増田さんへのコメントというよりは、はてブ的なコメントへの予防線です。
真実承認志向のコミュニケーションの取り方について「僕の全てをわかって!」志向だと、揶揄する人もいる。この手の指摘は一面での事実ではあるとは思うけれど、本当に長期的に付き合っていく相手の場合、「重大な真実」を隠し通すことが、本当に長期的な関係の維持に貢献するのかどうかは、なぞだよね。すくなくとも、どっちかは苦しむことになる。
もっとも、関係が浅いうちに、いきなり言ってしまうことには慎重にはなってよいと思う。
それとあと、本当にどうでもいい細部にわたる「僕の全て」は理解してもらおうというのは、困ったちゃんではあると思うけれど、今回の元増田さんの苦しみはそういうものではない。
関係の浅いうちに、理解する能力のない人に「ぼくのこれをわかって欲しい」と訴えかけることは、効果を発揮しないと思うし、ムダでもあるし、不幸でもあると思う。
だけれども、深い関係を結ぼうという相手に。理解する能力を信じられる相手に、「おねがいだから、ぼくの重大な問題を、理解して欲しい」ということは、特にわがままでもなんでもない。
言うべきか、言わざるべきか。それは、ものごとと人の「重さ」によって、変わりますよねっていう。
あと、もちろん、秘密を守れないことを「弱さ」だと考えるような世界観の人もいるだろう。秘密を守る自分に「強さ」を感じることができて、そういう自分の「強さ」を自分自身で肯定することができるのならば、それでもいいかもしれない。だけれども、そういう「強さ」を肯定する世界観の中で生きられない人もたくさんいる。そういうことに、想いを馳せることもせずに、秘密を守ることのできない人を、ただ「弱い」と断罪する権利は、誰も持っていない、と思う。
…と、以上のような、まあ、ごく当たり前程度のことを少し考えました。あまり参考にならないかもしれませんが。
(転載したなう : http://d.hatena.ne.jp/maskin-monotonicity/20100203/1265198211)
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