政権交代から約100日。「こんな筈ではなかった」「やっぱり」「意外に」など評価は様々。
こういった評価をぶつけられる機会は2010年夏の参議院選挙ということになろう。
民主党を中心とした3党連立政権に対する信任投票の意味合いが大きいことは疑いない。
ただ,選挙結果とその後の政治風景を想像しておくのも無益なことではないと考え,駄文をしたためることとする。
1 民主党単独で過半数確保
(1) 民主党関係者の悲願。社民党,国民新党などに気兼ねをする必要のない政権運営が可能となり,数の上では相当に安定した政権となる。この場合,国民全体の意思としては「3年間は民主党に任せた。3年間の政治運営があまりにもひどかったら下野してもらうけど。」と受け取られるだろう。
(2) 社民党・国民新党にとっては内心面白くない。社民党が持っていた連立離脱カードがほぼ無価値となる。普天間基地移設問題が参議院選挙前に片付いていないなら,この問題に対するスタンスの違いから社民党が連立から離脱することも十分ありうる。
(3) 自民党は解党の危機に直面する。二大政党制による政権交代が健全な民主制に必要であるとしても,将来の与党候補が自民党でなければならないという必然性はない。
(1) 非自民・非共産というのは1994年の細川連立政権のときの枕詞。相当古い。民主党からみると,自民党・共産党は連立政権を組む相手とはならない。民主・自民の大連立? 福田元首相時にそんな話もあったけど,つぶれた経緯を考えるとありえない。自民党の一部議員を引き抜いて過半数がとれるかどうかの泥仕合がはじまる。過半数を押さえられれば「ねじれ国会」という最悪の事態は免れる。ただ,気を遣うべき勢力が多く,政権運営は今以上に不安定となろう。
(2) 社民党・国民新党が発言力を確保できるかは選挙の結果次第。
(3) 公明党も政権に加わらないと参議院の過半数はとれないだろう。公明党は中道政党であるが故に民主党連立政権に加わることは十分ありえるとみる。
(4) 自民党は民主党の多数派工作に対して防御しきれるかが鍵。あるいは,政界再編を仕掛けるか?
3 民主党単独で過半数には足らないが,3党で過半数
現状維持。社民党の連立離脱カードは意味を持ち続ける(ただ,あまりにも理不尽な行動をしつづけると,公明党を取り込みにかかる可能性はありうる。)。
4 3党で過半数には足らないが,公明党を足せば過半数
これらの想像を踏まえつつ,民主党連立内閣への評価を踏まえながら来年夏の投票行動を決めるのはいかが。
追記