2009-10-30

http://anond.hatelabo.jp/20091030051149

印刷された新聞にだって、同じ日付の同じ記事でも、いろんなバージョンがあるんですけどね。

新聞の「版数」って言葉、聞いたことない?

(参考: http://www.yomiuri.co.jp/nie/note/feature/arekore/03.html )

その上で、だ。

新聞の場合、印刷されて固定されたものとして、なおかつ、版数が併記されたものが、紙媒体として保存される。しかも、当然ながら版数毎に別々の「紙」で存在する。それゆえ、「どの時点(版数)で、どういう記事が存在し、どういう論評をしていたか」が、記事更新後にも新聞「紙面」でもって追跡可能である。もちろん、さまざまな版数の情報を手に入れることができるならば、という条件付きではあるが。

対してネット上の、特に朝日新聞サイトの場合は、更新時間は併記されるものの、同一のURIでいろいろな版数・論評の記事が掲載される。これでは、過去に掲載されていた内容を、朝日新聞サイト単体では追跡することができないし、関連記事との相互関連性も追跡できない。

(ここでいう「関連記事との相互関連性」とは、「どの時点で、他にどういう記事が存在し、そこでどう書かれていたか」という、時間軸上の相互関連性を指すことにする。つか、関連記事との比較については、それこそネット(web媒体)の得意とするところだ。真っ当なニュースサイトであれば、関連記事に相互リンクを貼って、まさに情報の「web(蜘蛛の巣)」を構築するはずだから)。

そこで、web魚拓の必要がある。「この時点で、少なくとも『この記事』『このURI』では、こういう論評をしていた」ということを明確にするために、web魚拓を使って保存しておかなければいけない。そうしないと、上述のような版数ごとの記事の追跡ができないし、それを担保する証拠が消滅するということだ。それがなぜ問題になるかといえば、その情報を元に議論しようとする複数人が、それぞれ「どの時点」の情報を知っていて、またその主張の真偽が不明になるからだ。

結局どうすればよかったのか、というか、これからの新聞サイトがどう進化して欲しいか。少し提案をするとすれば、以下のことが挙げられる。

  • 更新した時間だけでなく、記事の版数・種類(新聞上の版数で何版に対応するか、または、web専用記事の第何報か)を併記する。
  • 記事を更新したのなら、別のページ(URI)を用意する。実際の新聞であれば「新しい版で、別の紙に刷る」という行為に相当する。
  • そして、更新前の記事も残した上で、「新しい記事はこちら」と誘導するようにする。
  • 過去の記事も、できる限り長期間掲載しておく。


ただ詰まるところ、情報リテラシーの違い・格差が影響しているんだろうなと思う。古くから新聞業界にいる人、旧来の広告屋技術屋としてネット業界に深く携わっている人、ネット論壇(いわゆるアルファブロガー)で肥えている人(いや、dankogai的な意味じゃなくて)、web業界でないビジネスで生きている人、...、一般さん、などなど、それぞれの世界で「当たり前」と思っている情報リテラシーが違うから、そういう思いの違いが出てくるのだろうとは思う。

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