2009-10-12

飛び込んできた今年度最大のジョークオバマ大統領ノーベル平和賞

次はオサマ・ビン・ラディンが受賞しても不思議でなくなった

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テロリストノーベル平和賞が与えられたことがある。故アラファトPLO議長だ。

イスラエルとの和平交渉にのってオスロ合意に至ったのは、弱体化したPLOの最後の選択だった。それ以外、選択の余地はなかった。ラビンペレスイスラエル指導者と三人同時受賞だった。

それ以前まで米国はしばしばアラファトを「テロリスト」呼ばわりしていた。

オサマ・ビン・ラディンはCIAの手先だった。

アフガニスタンからロシア侵略軍を撃退し、米国パキスタン経由の武器援助をやめ、反ソ活動家への援助も打ち切った。

政治環境が変わると、かれはテロリストと認定され、世界指名手配された。

ならばもう一回転向し、和平交渉に乗ってきたら、オサマだって受賞資格がある。

バラク・フセインは「核なき平和」を訴えた。

理想を述べたにすぎず、ロシアは同意するそぶり、手をたたいて喜んだのは北京だった。バラク・フセインオバマ路線によって、もし米ロが戦略核兵器を削減すればバランス上、中国の核戦力が突出することになるからだ。

オバマは受賞を聞いて「これは『行動を起こせ』という呼びかけだ」と受け取った。

ノーベル平和賞が、つぎの国際政治パラダイムオバマに強制することになる。露骨な政治的思惑だが、ノルウェー政府の考えそうなことである。もっともキッシンジャーカーター、スーチー、金大中と、へんな受賞がつづき、もはや「権威」は雲散霧消しているのだが。。

ロシア核兵器削減に前向きなのは、じつは「過剰」な在庫の中に旧世代の核兵器事実上、もっていても仕方がない)からプルトニウムを取り出して、原発原料に回したいからである。

米国も「過剰」なICBM在庫を削減し、管理コストを下げたい。そうした経済コスト意識が裏面に潜んでいる。

手放しで喜んでいる人たちは偽善者の本質を、その打算と汚らわしい打算とを軽視するか、無視する。

ちょうと筆者は福田恒存氏の「文学戦争責任」を読んでいた(下欄、書評参照)。

偽の英雄を、現代世界はまたでっちあげた。その人の名はバラク・フセイン

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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

     平成21年(2009年)10月10日(土曜日

         通巻第2736号  

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