2009-10-07

http://anond.hatelabo.jp/20090926013044

つまり遺族だけなら考慮しなくていいが、多くの国民がもっと重い罰にしろという感情を持ってる場合ならおkということ?


殺人全裸がいけないという「社会規範」は人間一般の自然な感情をもとに作られたもので、

その社会規範をもとに法規範も作られる。

それが「量刑は一般意志にもとづき決定する」ということの真意。

もっと単純に考えて、世論を加味するということもあり得るとは思う。

しかし基本的に主観的個人的感情を量刑を左右する要因にすべきではない。

米国では実際に「個人の感情は客観的に検証不可能なので、司法に介入させてはいけない」

という判例も出ている。

何で身分制度や神の存在につながるのかで論理が飛躍しすぎ。

愛され度なんかは人間勝手に決めてるもので神が出てくる余地がないし、愛され度は後天的に変わるので身分制度にもつながらない。


話を極端に単純化してわかりやすくするために、比喩的に身分制度とか神について言及した。

人間というか社会勝手に「愛され度」を評価して、その評価結果により各成員を等級づけすることで、

たとえばこんな序列を作ることになりかねませんよ、と。

人権みたいな政治的な産物を科学原理というのはおかしい。


ここでいう科学というのは自然科学と言う意味でなくて合理的なという程度の意味ね。

近代以前の宗教人情による人治から、法治に転換したことにより、

はるかに科学的に社会の運営を考えられるようになった。

いやそれはおかしい。対戦国相手なら殺すのが合法になってるんだから人権なんかないも同然。

戦争は殺し合いそのものが目的だから、兵士の殺害が合法化されるのはしょうがない。戦闘相手だから。

でも民間人は少なくとも攻撃してはいけないし、

兵士が捕虜になったときも人道的処置をするよう決められている。

殺し合いをするにも、最低限のルール人権を守ったうえで殺しあいましょう、

というコンセンサスは20世紀にはすでに確立されている。

遺族感情を考慮するぐらい瑣末な問題なら

えーとね、程度の大小が問題じゃなくて、

そもそも「感情が量刑を左右する」という「論理」が間違っている、

だから、間違った論理は、たとえ程度が瑣末であっても、適用すべきじゃない、と思うんだ。

とはいえ、家族を持ち社会的に功績のある人は、

それだけ他人や社会に対して貢献し責任を持っているわけだから、

その部分の「物的」「経済的」価値が、

身寄りのないホームレスの人より高いのは厳然たる事実だから、

その部分に対する「物的」「経済的」損失の賠償を加害者に求める、というのは理にかなっている。

「愛する人が死んで悲しい」という「個人的な感情」を司法に、たとえ程度が小さくても、持ち込むな、と思う。


それと、「遺族感情が量刑を重くすることが加害者人権を制限する」ことを私は問題視しているわけではないの。

加害者の扱いはどうだっていい。

「第三者からの主観的な評価」により、人間の命の価値上下することがあってはならない、と言いたいの。

記事への反応 -
  • http://anond.hatelabo.jp/20090923194020 「生き物」としては、みんな平等だけど、「社会的動物」としては、愛されている(というか、他人が必要とされている人間)はより価値が高い。 例えば、...

    • いや、おかしいだろ。 同じ動機で同じ様態で人殺しても、 相手の他者からの愛され方によって、受ける制裁の度合いが違うって、公平性に反するだろ。 なんで処罰を決めるのに第三者...

      • なんで処罰を決めるのに第三者の感情が反映されるのだ。 そもそも法律とか社会のルール自体がほとんどは加害者でも被害者でもない第三者である一般市民の感情にもとづいて決めた...

        • あなたのいう「第三者の感情」というのは抽象的な一般国民の「一般意志」のことで、 私がいう「第三者の感情」というのは、被害者に近しいというだけの、 当事者でない人間の個人的...

          • あなたのいう「第三者の感情」というのは抽象的な一般国民の「一般意志」のことで、 私がいう「第三者の感情」というのは、被害者に近しいというだけの、 当事者でない人間の個...

            • つまり遺族だけなら考慮しなくていいが、多くの国民がもっと重い罰にしろという感情を持ってる場合ならおkということ? 殺人や全裸がいけないという「社会規範」は人間一般の...

          • http://anond.hatelabo.jp/20090925004617 遺族が望めば死刑、遺族が望まなければ懲役、 殺したのが高所得者なら有罪、浮浪者なら無罪、 実際には「情状酌量の余地」というのがあるわけでし...

            • 情状酌量は加害者と被害者(遺族ではない)との関係性だけで決められるものであって、 被害者と加害者との関係とは無関係なところでの、被害者の社会的評価によって量刑が左右され...

      • 他人の利益を害するから処罰される、というのが刑法の根源にある考え方。 人を殺すともちろん殺人罪だけど、愛されてる人を殺せば、誰かが心情を害される。 つまり、利益を害する度...

        • その愛され度合いを除いて、まったく同じ条件であれば、その通りだろうな。 犯罪の行為態様や、被告人の犯罪後の態度などといった条件が。 ただ、そういった応報感情ってのは、あく...

        • おかしい。 「感情」は同じ状況同じ条件でも、人によって時期によって異なる。 客観的な行為に対する評価を、 主観的な感情、 それも「遺族」という「当事者でない第三者」の感情...

          • 誰かに精神的被害を与えるのも犯罪なんだから、殺人の直接的被害者でない遺族も犯罪の被害者では?殺人犯は殺人以外の罪を犯していてもその罪を罰するべきでないというのはおかし...

          • http://anond.hatelabo.jp/20090926004803 それも「遺族」という「当事者でない第三者」の感情を加味して、 決定するのはおかしい。 民事裁判であれば、遺族の物理的経済的逸失利益と...

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