2009-09-11

アニメーター賃金が低いのは、低くする事がメリットとなる構造があるから

アニメーター貧乏なのは、制作費の分配が不適切だからだろうか?

アニメスタジオ仕事を受ける時には、契約書を取り交わす。この契約書を作るのが、プロデューサーの主な仕事である。

契約書の金額に不満があるならば、サインをしなければ良いのであって、仕事が欲しいから低い制作費に甘んじておいて、分配が不適切と言っても通用しない。しかし、仕事アニメ製作会社から貰わなければやっていけない。アニメスタジオの取引先が、アニメ製作会社だけに限定されていることが問題と言える。そして、この取引先が限定されるという状況が、結果的に下請けいじめという外形を発生させる。日本製造業にはよくある話だ。

将来を目指し、アニメスタジオ制作進行を雇い入れ、プロデューサーに育てて製作会社化するという事もありえるのだが、この場合、アニメスタジオの芸風に沿った作品だけしか作れず、時代の変化に対応できなくなる。芸風が違う作品を作ろうとすると、スタッフは自社作品よりも描き易い外部から請け負った作品を優先する事になって、スケジュール管理が出来ず、自社作品のスケジュールがぼろぼろになるという事もある。

そのため、原画動画スタジオ製作会社とが分離されたのは、やむをえない変化であった。この辺は、映画世界においても同じであった。製作会社スタジオを持ち、全部のスタッフを抱え、役者まで専属契約で囲い込んだ結果、ワンパターン映画しか作れなくなり、そういった囲い込みの無いテレビ世界に、人気を全部持っていかれてしまった。売り上げが減ってお金が無いのに、賃金を切り下げられず、労働争議の挙句、映画会社は、企画・製作部門を切り離し、スタジオ部門を切り離し、映画館を統制する配給会社となっていった。

製作会社出資をして配当を受け取るスタジオは、赤字で受注しても製作会社からの配当で黒字に出来るが、そうでないスタジオは、赤字で請け負うダンピングするスタジオがあるから、価格水準としてその価格を強制されるということもある。製作会社利益を集約する事で、結果的に、同業者搾取するという話になっているのである。

アニメーター賃金が低いのは、低くする事がメリットとなる構造があるからで、その構造に乗っかって搾取する側に回るか、構造を変えるかという話になるが、どちらかというと、この構造を変えるのは難しいであろう。ただ、この構造が結果的にアニメーションの質を落としているというのであれば、アニメーション自体が客からの支持を失うという形で、構造が否定される事になる。そうなった時に、どのようにして立て直すかという話であれば、企業出資比率ではなく、作品毎の貢献度と出資比率とを等しくして、分配を求めるという考え方にしていくしかないであろう。

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