二度に亘りのりピー似と言われる娘にふられた僕は幸か不幸か受験勉強に集中できた。
しかし人間現金な物で大学進学が決まるとまたもや妄執が頭を擡げて来て、因業なことこの上ない。
我ながら呆れ果てるばかりである。
もう学校はといえば卒業を間近に控えた3年生はろくに授業も残っておらず、会うチャンスとかはほとんど残っていなかった。
携帯もPHSもポケベルも無いこの状況であとできる事と言ったら・・・手紙しか無いだろうが!みなまでいわすな!
全ての言葉は紙の上を上滑りしていく。
このままでは過去の2回と同じ轍を踏むのは目に見えている。
言葉はなんて無力なんだ。
僕のこのkimotiを真の意味で届ける事は不可能だ。
僕はそれを可能にする技術を持たないし、持とうとも思ってもいなかった。
絶望しかけたが、とは言え妄執が・・・。
なんかそんな感じで文をしたため、というより書き殴った文言は、要約すると「君とセックスしたい」という内容だった。
彼女に僕のkimotiを伝えたい、という観点から言葉を研ぎ澄ませた結果、そうなったのだろう。
当然の事ながら、封筒をポストに投函した瞬間、強い後悔の念に襲われ、それは日を追うごとに増していった。
当たり前だ、そんな事書けば。
しかも学校に行く機会は少ないながらまだあった。
どうしよう、ばったり出くわしても合わせる顔が無い。
しかしこんな時に限って出くわしてしまうのね。
僕は最大限自分の顔が見えないように頭を垂れて、それで会釈も兼ねたようないい加減なやり方。
でも上目遣いでそっと見ると、初めて会った時のような弾けるような笑顔だった。
僕は顔を上げ後ろ姿を見送った。
もしかして僕のkimotiだけは伝わったのではないか?
だってあんな事書いた手紙を送りつけられたら、軽蔑のこもった目で見られるのが妥当であろう。
なんとなれば無視されても何の文句も言えないような事をしているのである。
蓋を開けてみたら普通かちょっと良いくらいのリアクションだったのである。
彼女の気持ちを変える事は無かったが、届くには届いたかもしれない。
だいぶ救われた気がした。
余談だが、一人暮らしを始めたアパートにご丁寧に下書きをしたノートを持っていったせいで大学の友人にそれが露見し、頭を掻き毟る程後悔する事になるのだが、それもやっと思い出になったって話。
酒井法子が逮捕されてからこっち、高校時代を思い出さずにはいられなかった。出会ったのは一年生の春だった。まだ顔も名前もろくに覚えられていない同級生達の席の間を縫って歩い...
文章が上手いでもないのに改行もしない奴って それでも読んでもらえるつもりなのかな? そういう奴に限って無駄な部分を切ることすらしてないしさ。
二度に亘りのりピー似と言われる娘にふられた僕は幸か不幸か受験勉強に集中できた。 しかし人間現金な物で大学進学が決まるとまたもや妄執が頭を擡げて来て、因業なことこの上ない...
お前は正直者だ 偉い