ウィグルの争乱を「テロリストが扇動した」と一方的な情報で原因を分析して見せたのは王楽泉・新彊ウィグル自治区党委員会書記(つまり新彊のボス)だった。
ところが中央政治局常任委員は誰も、王の意見に同意しなかった。かといってすぐに結論を出せず「胡主席の帰国をまって決定」という次第になったと多維新聞網(7月9日付け)が報じている。
同紙のインタビューに応じた民主活動家で中華連邦制を主唱する王軍涛は「温家宝首相がひとりだけ暴力弾圧に反対したが、習近平は自らの考えを表明しなかった」と言う。
だからイタリアの重要なサミットをうっちゃって胡は慌ただしく北京へ戻った。
王楽泉は評判すこぶる悪く、過去十六年、新彊ウィグル自治区の党書記をつとめ独立活動家をテロリストと言い張って血の弾圧を強化し、一方で弟など山東省人脈を周囲に固めて利権を掌握、あらゆる汚職のドンと言われた。
とくに王楽泉が強い批判の的となってのは数万のウィグル娘を山東省の工場へ送り込み、低賃金で働かせた上に山東省の男性との結婚も強要斡旋したり少数民族への差別的扱いである。
王は年初から更迭の噂が流れていた。