現代社会の未成熟化に伴い、職場でも性格が未熟でわがままな管理職が増えています。彼らは、能力がないわけでもなく、むしろ積極的で活動的、華やかな場面が好きで、仕切りたがるし若者の面倒も見たがります。しかし、いったんストレスのかかる場面に遭遇するととても弱く、強く抗議すると翌日から若手を無視してしまったり、時にはパワハラを行います。最近は、こんな「会社のワガママちゃん」に振り回される若者のグチをよく耳にします。
1 他罰性と内省の欠如
「若者が上手く育たないのは若者が悪いからで、自分は十分にがんばっている」と考えます。物事がうまく運ばなかったのは自分のせいではなく自分のことを理解しない周囲が悪い、俺のことを理解しない奴は頭が悪い、と考えがちです。決して反省しませんから指導も意味がない物になります。
「こいつの性格は自分に向いていないから、やる気が起きない。◯◯君なら必ずうまくやれるのに」と常々もらします。本当に優秀な若手を育てるのならやる気が起きるけど、こいつでは無理と考えます。上手くいかないと直ぐに異動願いを出そうとします。自分が若者を育てようと努力するのではなく、若者は自己責任で必死に自己研鑽をするべきだ! と信じて疑いません。
自己愛が強くナルシストのため、現実を冷静にみることができなくなっています。思いつきや勝間本で見た浅い知識をもとに、勇んで胸を張り、業務について前向きな話をしますが、内容はあきれるほど稚拙。しかし本人は全くその認識がなく自信にあふれています。むしろ自分の話を真摯に聞けない若者は理解力が足りない仕事のできない奴だと思っています。
4 高いプライド
自己愛が強いので自分の非を認めず、助言や忠告を受け入れません。自身への適切な助言に対して表面的には聞きますが、決して従おうとせず、強く忠告するとふてくされます。もともとの能力が高い人ほどこの傾向が強く表れます。彼らの多くは、あのバブリーな就職戦線で失敗する経験はが皆無でした。万が一失敗したとしても「それはあなたのせいではない、評価しなかった面接官が悪い」と、お母さんが言ってくれました。プライドが傷つかないまま、すくすく育ったのです。
他人の心の痛みがわかりません。自分の痛みは、本当に痛む前に母親がかばってくれましたから、深く傷ついた経験がないのです。友人と取っ組み合いのケンカをした経験もないので、自分の痛みも人の痛みもわからず、限度を知りません。彼らの指導は、育てるのではなく叱る一辺倒になります。感謝の気持ちが薄いのでやがて人望が少なくなります。
こういうことを他人事として書けてしまう人は本当に自己イメージの肥大した人だなぁと。