ttp://d.hatena.ne.jp/g616blackheart/20090223/1235290371を読んでいてふとタイトルのようなことを言われていると気がつきました。
トリックのアイデアが行き詰っているように見える現代ミステリの新たな道を切り開くきっかけとなりうるのではないかと思うのだ。
や当の竜騎士07氏の
ミステリはもっと楽しいものだったはずなんです。今のファンの方にはそれを思い
出して欲しい。
という発言をしている。
ミステリばかり読んでいる自分としては毎年毎年新しい人、新しいトリックやその新しい見せ方、プロットのひねり方に他ジャンルとの融合など結構ダイナミックに変化のあるジャンルだと思っていたのですが……
古典芸能に例えられることもありますが多くのミステリ作品はエンターテイメント本位の作品が多いと感じていました。本格ミステリでも先行する有名古典作品を読んでいないと面白くない、なんてのは小数派だし、好きなものを手にとって読めば構わない気楽なジャンルです。
勿論先行作品に目を通しておかないと楽しめないものもありますが、そんなものばかりでは無い。出ないと最近のガリレオブームや京極、森といったメフィスト賞からのベストセラー作家の輩出は一部のミステリオタクだけでなす事は出来ないでしょう?多くの人を巻き込んだからこそ、じゃないのかなぁ?
更に言えばトリックの面でも最近は新しい物も出てきてます。紅楼夢の殺人の逆トリック(そう正に逆に仕掛けられたトリックでした)、蛍のトリック、厭魅(まじもの)の如き憑くもののネタ、アリスミラー城殺人事件のネタも良かった、ウルチモ・トルッコの大胆なトリックも新しかった、エコール・ド・パリ殺人事件やトスカの接吻のような新たな息を吹き込むような作品も面白い。トリックもここ10年くらいは「トリックの必然性」を重視している作品が多いですし、なんか言ってる事が古臭いというかなんと言うか
余りミステリを読まない人が簡単にジャンルの閉塞感を語ることは勘弁願いたい。多くの作品を読まないことには上っ面を適ッ当になでただけの言説になる上にそれを読んだ人が勘違いを起こすと思うんですけども。一時期唐突に「ノックスの十戒」や「ヴァン・ダインの二十則」を語る人が増えたときにも感じたことなんですが…… ミステリ好きなら今更これは無いよと思うんじゃないかなぁ。竜騎士07氏の言うことにも10~20年ぐらいのタイムラグを感じます。今更感がすごいと言うか、「なぜ、今、それを言うのか」みたいな。アンチミステリにしても後期クイーン問題にしてももう一段落着いて数年たってからの蒸し返しですから本当に「なぜ今更?」