パキスタン、タリバン、そして北京の秘密回廊が存在するのではないのか?
パキスタンの無法地帯に盤踞するタリバンが、拉致していた中国人エンジニアを解放した。
2月13日、パキスタン軍保護の下、スワット渓谷で誘拐されていた技師は三ヶ月ぶりに中国大使館に身柄を保護され、医療チェックを受けた。
身代金が支払われたか、どうかの報道はない。この技師と同時につかまった中国人は貳ヶ月前に逃げ出して独力で脱出に成功していたという。
先週、拉致されていたポーランド人地質学者は、タリバンに虐殺され、その処刑場面の残酷なヴィデオがテレビ局などに送られた。欧米人の拉致、処刑は枚挙にいとまがないが、なぜ中国人だけが助命されたのか?
凶暴タリバンの心変わり?
パキスタンの軍情報部は、タリバンに同調的でムシャラフ前大統領の対米協調路線に面従腹背、一部将校とタリバンが裏で繋がっており、米軍の作戦情報が漏洩しているという指摘があった。基本的にタリバンとパキスタン軍の多くはパシュトン人で、ムシャラフはインド系、見えない人種の壁もある。
繰り返すまでもないが、パキスタンと中国は対インド戦略上、半世紀以上に亘る軍事同盟である。中国とパキスタン合弁の戦車工場もパキスタンにはある。
タリバンの本拠地はアフガニスタンのカンダハルの高地、渓谷。パキスタンとの国境は無法地帯で、パキスタン政府の統治は及んでいない。