2008-08-19

男は結婚する相手に、「下」の者を選びがちで、女はその逆、「上」の者を選びがちだという。

上とか下ってのは、学歴とか、収入とか、社会的地位とか、そういうもののことで。

まあそれでも最近は、女の側は、「下」の男でもいいとか、割と好みが広がっている気がするが、

男は未だ、相手の女より収入や学歴が下だと、劣等感を抱いてしまうことが多い。

ネット上でも、「相手が収入も学歴も上だったらとてもやっていけない。彼女が悪いわけじゃないけど、男としての劣等感が云々」と言う男は非常に多い。主夫だってまだまだ少ない。他人の目ってのもあるが、何より男自身のプライドが、おそらく自分をそうさせられないのだ。時折「主夫になりたいから誰か女の人養って!」といっている男もいるが、俺も冗談で言ったことはあるが、実際本当にそうなることがあったら、思いとどまってしまう気がする。ある記事では、「主夫になったものの、何か罪悪感や劣等感がしてしまって居心地が悪い」という男も実際にいた。

それは何なのか、と考えていたが、

ふと、「男は子供を産めないからじゃないのか」と思いついた。

女は、男に収入も学歴社会的地位も負けていたとしても、さして劣等感を男よりは抱き難い。それはなぜかといえば、「産む」という能力で勝っているからだ。しかもそれは絶対に追い抜かされたりはしない絶対的な能力だ。だから、専業主婦になっても劣等感を抱き難い。仕事も何もできないとしても、子を産むことが出来るから、たいしたことはないのだ。あるいは、完全に別のフィールドとして考えられるからどうってことはない、という感覚か。ラジコンに興味ない奴は、ラジコンうまい奴に嫉妬などしないってことだ。

一方男は、女に収入も学歴社会的地位も負けると、何も残らない。全て負けのままだ。産むことも相手にしか出来ない。全て完全に負けてしまう。

だから、女よりも男は、収入などが相手より下回るのを避けたがるのではないか。そこで勝てないと、勝てるところがなくなる。考えてみれば少し前まで仕事自体男の専売特許のようなものであったのだから、それを女に上回れたらどうしようもないのは必然的な事だ。

いくら女が「そんなの気にしない」といっても、そういう問題じゃないのだ。

女が、自分が負けてもさして気にしないでいられるのは、それは子を産む能力がある時点で、男より絶対に一つは勝っているものがあるという確信が、根底にあるからだ。

男はそれがない。だから、勝ち取っていかなきゃならない。それなのに、それすら女に上回れたら、そりゃ劣等感で一杯になる。

女はときおり「何故気にするのか」と言うが、それは女は産む能力を持っているがゆえの余裕からいえる言葉だ。

専業主婦ならば子供を産む事によって家庭に寄与出来、「養われているだけ」感を払拭する事ができるが、専業主夫仕事寄与できなければ産むことも寄与できない。本当にただ「養われているだけ」という感じに、男には見える。

仕事をしていても、相手の方が収入など上回っていたら、似たようなものだ。「俺だけの寄与」がそこには無い。別に俺はいてもいなくても一緒じゃないのか、という感じになる。女は常に、産むことにより、「私だけの寄与」が出来る。

だから男は自分より収入等が下の女を好む。そうして仕事面において「俺だけの寄与」を作り出す。逆に言えばそうしないと作り出せない。

女の社会進出を嫌がる男の心理としてもこの辺にある気がする。今までは仕事は男の寄与で産むことや育てる事が女の寄与だ、としていたから男は安心できていた。しかし今まで男の寄与だった仕事に進出されてしまうと、男独自の寄与が独自のものでなくなる。ではかといって、女独自の寄与であった産むことに参戦し、女独自の寄与もなくそうとできるかといえば、そっちには男は参戦することは不可能ときた。結局、男独自の寄与だけが、だんだんとなくなっていくだけだ。それはいいとか悪いとかではなく、そもそも、自然に任せればそうなってしまう運命にある。仕事は女でも出来るが産むのは男には出来ない。だからこそ、昔は女にさせないようにして分けてきたのかもしれない。であるならば、女の寄与を軽々しく扱わず、もっと凄い物として扱うべきだったのに、そうしなかった、男の寄与仕事はすごいけれど女の寄与=産むのは別にたいした事じゃないという価値観押し付けて女を軽んじてきたから、当然女は反発し、ならばそのすごいほうの寄与をさせよと女が進出してくることとなった。産むことは物凄い能力であるという扱いを受けていたら、こんな風にはならなかったんじゃないのか。そして進出してきた結果、男独自の寄与だけがなくなった。女独自の寄与を軽んじていたら、男独自の寄与がなくなった。自業自得なのだろうが……。

そうした結果必死に男は「下」の女を求め続ける。

女はどちらでもいいようだが、それはどっちもできるから故の余裕なのだろう。

男が「下」を求め続けるのは、何も男のプライドが女よりも異常に高いからというわけではなく、女よりも男のほうがプライドを脅かされているからである気がする。それは誰のせいでもなく、時代の流れと、男女の決定的な差、すなわち産めるか否かという生物的な点によるものなのだろう。

  • 身の回り話をすると 「下」の男性とくっついて上手く行っている女性は 相手を立てるのがうまいんです。 男性の方もなんか負けているのが楽しそう 女性も変に自分が「上」であること...

    • しかし「下」の女性とくっついてる男性はどうかといえばそんな風ではないね。 「上」の男性と結婚できたことを誇る気持ちも分からんが、といって「下」の女性と結婚できたことを誇...

    • 男で相手を(女を)立てる人っているんだろうか。

      • 再び身の回り話だが「上」とくっついて上手く行っている男性は 「うちの嫁は凄い」が口癖ですのでちゃんと奥様を立てていますよ 相手を立てるのがあまり得意でない男性は確かに多...

        • 最近は男も女も「俺が/私が」と自己主張するばかりの人が多いからね。 その割に実力が伴ってなかったりするのがまた痛々しいしね。 時代の流れだからなかなか難しいね。

  • その説だと、子供を産めない女は男に劣等感を抱いているという事になるけど 実際に子供を産めない女が劣等感を抱く相手は子供を産んだ女や他の分野において自分より優れている女で...

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