「恋せよグロメン」
「す、好きです」
この世に生れ落ちて21年。
グロメンは生まれて初めてその率直で純情な想いを伝えた
どちらかというと好かれるどころか避けられてきたようなタイプであった。
体型は小柄、小動物のような彼女は決して目立つタイプではなかったが、
気配りができることや、その気さくな性格からそれなりに人気があった。
正直自信があるわけではなかった。
しかし伝えたかった。否、伝えなければいけなかったのだ。
少しの間を置いて答えが返ってきた。
「…凄いうれしい」
この間はグロメンにとっては、長いものだった。それが一言で弾けとんだ。
やった…!!
「でもね…」
!!
「やっぱり友達以上には見られないよ…ごめんね」
グロメンの宙に浮くような高揚した気持ちは
「だからこんなこというのもなんなんだけど、その…これからも…よろしくね」
「う、うん。僕も気持ちを伝えられて…よ、よかったよ…」
グロメンは帰って泣いた。
しかし生まれて初めて気持ちを伝えたということもあり後悔はなかった。
それがグロメンの男としての意地であり彼女への配慮であった。
さ、行くぞ。
「ねえ聞いたー?エミったらあいつに告られたんだって??!」
「ちょ、やめてよマイちゃん!」
『ええーマジかよ!』
ガヤガヤ
グロメンは一瞬頭の中が真っ白になった。
グロメンはドアノブに手を伸ばした
「てかさーあいつマジ身の程わきまえてなさすぎじゃね?」
グロメンのドアノブをまわす手が止まった。
「いえたいえた。あいつがエミちゃんと付き合えるわけねーじゃんかなー」
「ハハハハハ身の程わきまえろっつーの!」
「てか鏡見たことねえのかよ」
ドッ
「ちょ、ちょっとみんな…き、聞かれたりしたら…どうすんの」
「あのさーエミもムカつかないの?だって付き合えると思ったから告ったわけでしょ?あんた付き合えると思われてたんだよー?」
「も、もうやめようよ」
「エミは優しいからなー。あの手の童貞君が勘違いしちゃってもしょうがないよな!」
「ハハハハハ勘違いさせるエミが悪いってハハハハ」
「でもあいつエミをオナネタにしまくってたんだろうなーうげーゲロゲロ」
「ちょ、想像させんなよ気持ち悪い」
「てかエミ大丈夫?ストーカーされちゃったりするんじゃない?そうしたらエミも困るっしょ?」
「それは…まあ…」
グロメンは走った。途中転んだ。しかしすぐに起き上がり再び走った。
家に着いた。今頃ゼミの連中は振られたからばつが悪くて今日休んだと言ってるんだろう。
ベッドに包まった。涙も出なかった。
思い出は裏切らなかった。彼女とのことを思い出しながらその日は床に就いた。
恋せよグロメン
「はらぺこグロメン」 グゥ〜 ある日講義中、グロメンはお腹を押さえて気持ちの悪いお顔をドス黒いほど赤く染めました (うわぁ、まさか今の…聞かれちゃったかな…?) 「クス...
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