あるところに盗賊の村がありました。
盗賊たちは法律など関係なく外からは平気で物を盗んで生活していましたが、村内部ではルールがありました。
村は外から盗んできたものがたくさんあって余ってたので他の村人の物が使いたいときはほぼ自由に使える状態でしたが、そのかわりに使う時には必ず一言相手に言ってから感謝をすることになっていました。
さて、外から盗んできた物で発展してきた村では次第に盗んできたものを加工したり、農業を始める人が出てきました。
その他の村人も少しは盗みを働いて暮らすことに罪悪感を感じていたので、それらの人を応援しました。
そして、農業を始めた人は大成功。
作物がたくさん取れて村人も大喜びです。
ところが、その村人はある日
「俺、この野菜を街に行って売ってくる。もっと広い世界に出たいんだ。」
と言い出しました。
他の村人たちは大慌て。
盗賊の村の出身者が街に出て行ったら怖い兵士に捕まって盗賊の村の場所を吐かされ、兵士が村を潰しにやってくるかもしれません。
村人たちは口々に言います。
「奴を吊るせ!」
「あいつが農業で成功できたのは誰のおかげだと思ってるんだ!」
「しかもあいつはもう俺たちの村には作物を分けないらしいぞ!!」
「俺らのことを兵士に売って、自分だけ助かるつもりなんだ!」
結末は知らん。