2007-11-29

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続き。

「そんな…滅ぼすって」

「仕方がありません」

「脅迫するの?」

「少し違います。この世界はなかったことになります。」

「そんな…馬鹿な。そうだ、嘘だよ。そんな力があるなら自分で妖魔をやっつければいいじゃないか」

「先ほど申し上げたように、この世での力と魔法の国での力は違うのです。私の力など、妖魔の前では赤子同然。勇者様のお力がなければ抗うこともできないでしょう。」

「だったらなぜ君が…」

へたり込んだままの俺の前に彼女が跪き、ゆっくりと答えた。俺の頭にその意味がしみこむのを待つように。

「強き魔法使いでは、勇者様が拒まれたときに、お連れすることができないのです」

最悪のときに拉致を敢行する、その能力だけで選ばれた非力にして最強の従者。俺はその美しい顔をじっと見た。

「嫌だ、行きたくない。戦いたくない。この世界が壊れるのも嫌だ。」

自分でも嫌になるほどの優柔不断ぶり。

「何かほかに方法はないの?」

すこし間をおいた後、悲しげに彼女が口を開いた。

「ふたつだけ、方法があります。」

「何?」

「私を殺してください」

これには、いままで以上に驚いた。怖いとか何とかが全部吹っ飛んだ。

「殺すって…、君を。嫌だ。そんなことは絶対嫌だ!」

「私は所詮この世界人間で張りません。貴方とは本来交わらない人間なのです」

「だからって、殺せるわけなんかないよ。何も悪いことをしていない君を殺せるわけないじゃなないかっ!」

噛み付くように言い放ったが、彼女は優しげに微笑んで俺の罵倒を聞いていた。

「やはり予言の岩は正しい事を告げてくれました。貴方は本当に優しい心をお持ちです。私は貴方の供に選ばれたことを誇りに思います」

「だって、そんな、そうだ。もうひとつ、もうひとつ方法があるんだろ」

「はい」

「教えてよ」

「それは、貴方がこの世界を壊してしまうことです」

  • おっとすまん、「『魔法使いの美少女ヒロコがアパートの戸をたたく。』までよんだ」だった。 しかし改めて読むと、妖怪退治に魔法使いとって、なんかすごいな。 もう少しこう、「陰...

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      • 「妖魔の世界はこの世の陰の部分です。陽の世界の使える人は陰の世界の使えない人。あなたは陰の世界では勇者クラスですよ。」 なんといういじめw

        • 「お願いです。考えてみてください。この世界では夢も希望もないあなたが、妖魔の世界では勇者さまになれるのですよ」 「おい、ひどい言い方だな。」 「この世で勇者さまになれる...

      • なんか「ダンバイン」を思い出した。 オーラロード強制。

      • 「妖魔の世界はこの世の陰の部分です。陽の世界の使える人は陰の世界の使えない人。あなたは陰の世界では勇者クラスですよ。」<< ・・・これはなんというニートいじめw

      • 【元増田設定】 ◎基本   ・ラノベ(セカイ系) ◎キャラ   ・主人公 38歳童貞、職歴なし。「時給制の妖怪退治のアルバイト」をなし崩し的にすることになった。  ・ヒロコ 魔...

    • なんでどんどんせわしない日常に埋没していくんだよw 非日常はどこいったw

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