「今回の「アッコにおまかせ」における「初音ミク」の扱い方の手法は、テレビ制作者にとってはとっても当たり前のやり方だよ。別に“TBSにとっては”って話じゃないよ。フジだろうがテレ朝だろうが日テレだろうが、どの放送局であってもとっても当たり前なやり方なんだ。常識中の常識。
「だってさ、考えてごらんよ。「初音ミクという驚くようなDTMソフトが世に現れました!」って話を放送してさ、それでいったいどれだけの人が「初音ミク」に興味を持ってくれるっていうのさ。ちょっと想像してごらん、キミの隣にいる、オタク的なものにもDTMにもパソコンにも興味がない人に初音ミクの素晴らしさを語ってみたときのことを。おそらく、キミがどれほど熱弁しても「あ、そう」ってとこくらいまでしかその人の気持ちを持っていけないと思うよ。
「だったら、人の興味をひくことが仕事のテレビ制作側としては、そんなアプローチの仕方よりも、「オタクに大人気!」って方法を選ぶさ。んでこまごまとしたソフトの説明なんかしないで、オタク文化と絡めた紹介の仕方にするさ。だってそっちの方が確実に多数の興味をひくもの。
「別に、誰かを傷つけたい、なんて思いでやっているわけじゃないよ。ただたくさんの人に番組に興味を持ってもらいたい、って思いでやっているだけで。それだけが正しいと思ってやっているよ。
それに今までずっとこんなやり方でやってきたけど、そんな意見あまり出てこなかったし。まあ出てきたとしても、ごく少数の意見でしょ? それよりは大多数の興味をひくことが大事だよ。だってそうしないとスポンサーのCMをたくさんの人たちに見てもらえないもの。
「倫理的に正しいかどうかは置いておいてさ、放送業界的には正しいやり方なのよ、これ。」
* * *
……っと、ここまでが、現在のテレビ制作者の考え方。別に「僕はこう考えています」って話じゃないよ。これは単なる事実の再確認。だからこのやり方に対して怒りを覚えるのは自由だけれども、その怒りを僕にぶつけても意味はないからね。
さてさて、確かにこれまでこのやり方でテレビ業界は上手く回ってきた。んじゃ今後もこのやり方でテレビ業界は上手く行くのかね?
さあ、どうだろうねえ。でも今回の事例を見る限り、無理なんじゃないの?
今まではさ、少数の声なんて何本か視聴者センターに電話があるくらいでたいしたことはなかっし握りつぶせるレベルだったけど、今はネットが普及していて、小さな声が目に見える位置に置かれて、大きな声として広まることにもなるよ? 今回の騒動みたいに。
「放送業界的に正しいやり方」、いつまでもそのままで、いいの?
ところでこれは蛇足だけどさ、テレビ業界者さん、今回、なんでこんなに「初音ミク」の取扱い方でみんながヒートアップしたか、わかる? まあ、わからないだろうね。
僕もよくわかんないんだけどさ、テレビ業界者さんは「初音ミクはオタクなもの」って思っていたかもしれないけどさ、「初音ミク」を実際に楽しんでいる人たちにとっては「オタクなもの」っていう価値観の前にもっと広い価値観があって、その価値観をスルーされてしまったことでユーザの自尊心に触れてしまったんじゃないかと思うよ。
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っていうのがたぶん
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITel000017102007
での江口さんの主張なんだろうけど余計なもんがごちゃごちゃついていて伝わりにくくなっているんだな、だからコメント欄も、コメントを書いている人と同じ立場にいるはずの江口さんを後ろから撃つ内容になっているんだな。コメントを書いている人が、どこが事実の確認で、どこが江口さんの主張なのかを読み取れていない感じ。
蛇足部分を文の中盤に無理矢理差し込んでしまったのと、和田アキ子の「わからない」発言を上手く絡めようとして文章自体がわからないものになってしまったのが敗因か。