2007-06-23

http://anond.hatelabo.jp/20070623062134

http://anond.hatelabo.jp/20070623053349を書いた増田だけど、なんか誤解があるみたいなんでちょっと書いとくね。

まずはじめに言っておくけれど、僕自身は著作権保護期間延長には決して賛成しているわけじゃないんだ。

消極的反対派といったところ。いろいろ書くと長くなるから省略するけれど、とりあえず延ばす必要性は無いんじゃないの?

という態度。短くしろとまでは言わない。というか短くするのにはかなりの慎重派。そんなところ。

青空文庫とかがあって、人類の文化的発展が??ってのはよくある議論で、良く見るんだけどさ。

なんというか、その理想は誠に結構なんだけど、それで僕が思うのは、「それで、あなたは何をしてるの? 何が出来るの?」

ってこと。

たとえばあなたは青空文庫という人類の文化的発展のために重要なもののために、何をしてるの? 何が出来るの?

ボランティアとして参加してるの? 小額でも、個人として寄付してるの? 誤植を見つけたりしてるの? それとも、

周りの人に、青空文庫の意義を伝えたりしてるの?

なかなか出来ることじゃないと思うけど。

でも、そういうことしてる、そういう気がある、っていうことがどうにも僕には伝わってこない。

そうでないと、「著作権切れたから青空文庫でタダで読めるぜウマー」としか思えない。

別にそれが悪いとは言わない。まずは利用することが、第一歩だから。

でもね。

実は僕は大学ではずっと法律をやってたんだけど。(あ、ちなみに知財は専門外)

そういう公の利用とか云々を言うっていうのは、著作権とかの法律に頼らずに、文化を守っていく、支えていくってことでしょう。

でも、それってすごい大変だと思う。

法律っていうのは、使いづらいかもしれないし、欠点もたくさんあるけれど、それでも、この世界では相当強力な武器だと思うんだ。

それに頼らずにやっていこうっていうのは、すごく大変だし相当の覚悟が必要だと思うんだ。

たとえば、二次創作なんかは、よく、そういう利用の一例として挙げられると思うけど。(例として適切かどうかは議論がある気がするけど)

アレは今、その題材となってる作品の著作権が切れてないからあの程度にとどまってると思う。(その程度もたいがいだと思うけど)

もしも、二次創作の題材になっているような作品の著作権が切れたとしたら、どうなるんだろう。

コミケやなんかでコソコソ売るんじゃなくて、大手を振って売るようになるんじゃないだろうか。

大きな出版社お金儲けのために参入してくるんじゃないだろうか。

そのこと自体は悪いことではないかもしれない。

でも、その中からは、きっと、その原作を冒涜するような内容のものがたくさん出てくるだろう。

また、おとなりの国では、第二、第三のテ○ンVが作られるかもしれない。

でも、その中から、きっと良いものも生まれてくる。

文化の利用による文化の発展ってのはそういうことでしょう。

でも、その中の、冒涜するようなものは、どうすればいいの?

それは、「公正な利用」ではないかもしれない。

でも、著作権があれば、著作者がいいかだめかをいうことで「公正な利用」かどうかラインを引くことも出来るかもしれないけれど、

なかったら、それは、法的にはどうしようもない。

だったら、そこで、「公正な利用」であるかどうかを判断して、ラインを引いていけるのは、私たち一人ひとりじゃないの?

戦っていけるのは、私たち個人なんではないの?

そして、そこで頼れるのは、一人ひとりの、文化を守っていこう、支えていこうっていう意思だと思うんだ。

利用するだけでは終わらない、強い意思を見たいんだ。

僕が見てる議論では、どうもその意思が見えない。そう思えない。

だから、のれない。

だからね、フリーライディングじゃないんだって言いたいなら、フリーライディングなんてしてません。少なくともその気は

ありません。私には、これを将来に向かって伝えていく、守っていく、支えていく、その意思がありますってだけ言ってくれれ

ばいい。

人は僕のことを理想主義に過ぎると笑うかもしれない。

でも、僕はその意思を大事にしたいんだ。

記事への反応 -
  • まず、まずもって消費者全部がDLするなんてことはありえないわな。 利便性とか見易さとかこれも好みの問題。金が無いやつはDLするだろうがもともと無いものは袖をふってもだせない...

    • つまり買う人がいてビジネス成立してればいくらDLする奴がいようがそいつは問題ないって事? なんか、正規品売れてりゃ海賊版出回っても問題無い的な発想だな

      • なんか、正規品売れてりゃ海賊版出回っても問題無い的な発想だな DVDが百万本売れていれば、海賊版を買う人が1000人くらいいても確かに問題にはなりにくいでしょう。 売れる/売れな...

        • つか、コンテンツ事業なんて大道芸みたいなもんだろ。 大道芸をして みている人がいるのにコインが入らないのか みている人がいないからコインが入らないのか コイン置き場を用意し...

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            • チップ制の国は乞食も多い。「下人」と目が合ったらとりあえず小銭を渡すのが階級社会のマナー。 anond:20070623053349

              • ノブレスオブリージュとかザカートとかあるじゃん。 あれも「50円やるからその道開けろ」なのかい?

                • そのとおり。 封建時代以来の遺産からの不労所得で遊び暮らしてりゃ、いつ「下人」どもに革命起こされるかわからないじゃないですか。 もっとも、こういう関係はローマ時代に遡る...

                • http://anond.hatelabo.jp/20070623063831 http://anond.hatelabo.jp/20070623065016 うーん、それは「高貴なる者の義務」というよりただの「保身」でないの。 ノブレスオブリージュとザカートにしても、全く...

                  • anond:20070623071624 そらそうだ。 「君達が怖いからこの金でおとなしくしていてね」

                    • 喜捨による救貧を主眼とする(だよね?)ザカートについてはそれでいいとして、 ノブレス・オブリージュは、本来の定義からすれば全面的には当て嵌まらないでしょう。 この場合の公...

                      • anond:20070623073515 noble obligationは、支配関係が前提。 貴族階級が世襲ニート状態になったらいずれ下克上が起きちゃうから、「貴族がんばってます!」ってPRして被支配者からの侮りを防ぐ...

                  • ノブレスオブリージュとザカートは、けっこう似たイメージを持ってるんだけどな、俺の中では。 まあ辞書的な意味しか把握してないんだけど、前者は「金持ちは寄付しろよ」みたいな...

                    • それだと結局ニュアンスの違いになってしまうのでは? noblesse obligeとは貴族や王族など富裕層が率先して行う無私の公共奉仕であり、 文化的・芸術的なもの、金銭的・物質的なもの、そ...

                      • たしかに文化面や軍事面にも関わってくるが、この場合は金銭面に限っての話ということにしておいてくれ。 問題は、チップとノブレスオブリージュとザカートはどれも「50円やるからそ...

            • 著作権保護期間延長問題についてだけ。 保護期間延長反対がフリーライディングといわれるなんて心外です。青空文庫とか、そういった公の利益にかなう公正利用が著作権延長によって...

            • もう、日本は家元制に回帰しちゃえばいいよ。 なぜなら、どんな創造活動も先人達の成果に対するフリーライドなしでは出来ないからだ。 家元協会に金を納めて許可された者だけが、先...

            • 日本でも、実際に大道芸を見ていると、たいていの芸人さんは芸の締めに面白い口上だとか楽しい仕掛けを用意して、お客さんがお金を入れたくなるような工夫を全力でこらしている。実...

        • http://anond.hatelabo.jp/20070622201457 むしろ、盗っ人猛々しいと言うべき哉。

        • トラバ元(http://anond.hatelabo.jp/20070622201457)を書いた増田です。 それkwsk

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