2007-04-26

突発カラオケOFF 嘘レポ(3)

http://anond.hatelabo.jp/20070419001713

http://anond.hatelabo.jp/20070422000431

「なんだか物によっては周辺の2次創作だけ抑えて判った気になってしまうんです」

「そ、そりゃいかんですよ。僕は原作を極力おさえるようにして…」

女性なのに男性向けエロパロから作品に入るのはどうか、と太一郎は思う。

パセラから駅へ、駅から早稲田へ。電車に乗りながら、ぽてぽてと歩きながら、そんなオタクトークをする。

「あっちょっと待ってくださいソフトクリームが」

ソフトクリーム?」

どうみても雑貨屋の前だ。彼女雑貨屋に踏み込んでいく。後について入るが、やはりかわいらしい小物が陳列してある。奥を見ると、小さな喫茶スペースがありソフトクリームを販売していた。

「凄いところで売ってるなあ。東京には無駄にする土地は少しもないということか」

「ほらここに看板があったのを見つけたんですよ」

「よく気づいたなあ」

やはりこの人はどこか聡い。なのに何故文章はあんなに燃料満載なのだろうか。

コミケでの過ごし方などについて話しつつ歩いていたが、かなり歩いたのに着かない。彼女は早速そのへんの人を捕まえて道を聞いている。

「この先の大きな交差点で右に曲がるんですって」

非コミュを自称したり、職場非コミュを実践していたエピソードを語る割に、こういう行動には問題ないらしい。太一郎なら適当に当たりをつけて誰にも聞かずに進み、後悔するだろう。

非コミュというのはいったいどういう物事なのだろう。話をしながらそんなことを考えていた。

「ここです」

みるからに怪しい小さな店の前で彼女は立ち止まった。

中に入るとそこには、あるはてなダイアラーがマスターとして準備をしていたが、彼女を見るなり(某はてなダイアラーの名誉のために略)叩きつけられる机(略)空き瓶を額で(略)「あなたこの間私のこと嫌(略)「こんなに俺が(略)太一郎ネタなのかマジなのか決めかねていた。マジだったら介入すべきなんだろうが微妙な線であり介入したとすると(略)

事態が収集され、落ち着いて座る。中には今日のマスターと、太一郎と、彼女だけ。

改めて回りを見回すと、少し居心地が悪い。内装の雰囲気は、大学サークル部室に似ていた。しかし、その雰囲気は太一郎のような電算機サークルのそれではなく、ベタ文化系サークルのものだ。共産主義運動の香りのする張り紙。傷だらけで無秩序なインテリア

ここはアウエイだ。強くそれを自覚する。

カウンターの隅にあるPC太一郎は自分のダイアリーを表示して教えた。電車の中で小説お勧めを聞かれて即答できずダイアリーに書いていると言っていた為だ。

「私ストーカーだから過去日記とか全部見ますよ!さかのぼって!」

「うわあ。まあいいけど」

目の前で日記を読まれているというのはなかなか恥ずかしい体験だ。

4人ほど学生が入ってきて、80年代文化について輪講をするという。レジュメを配っていたので太一郎もついでにもらう。レジュメは3題話の様相を呈していた。80年代クラブシーンの音楽ハッカー文化、エコロジーレジュメからヤバイ感じがする。ポイントを外した、ハッカー文化に対する理解。

輪講が始まって、予感は的中した。薄い、薄い、ポイントを外した理解に基づいて延々と語られるコンピュータ進化歴史ハッカー文化。

「くわっ!これはイラっとくる!」

「まあまあ」

気を利かせて本の話題を振ってくれたりしたので、太一郎はそれにのってしばらく話した。最初に大きい嘘を一つだけついて後は誠実に論理的に話を転がしていく本が好きだ、だからロボット3原則ものは面白いとアシモフの話をしたり。

しかし、最終的には学生たちに対して延々とハッカー文化について語ってしまう。自分は当時ハッカーを憧れの目で見ていた少年に過ぎなかったにも関わらず自分のことのように語り、文化に対する解説という名の説教をしてしまった。

学生たちが帰ると、夜にあるというライブに向けて徐々に人が集まってきた。狭い店内は熱気で暑くなり、身動きがとりづらい状態になる。

叫ぶ詩人。エレキ尺八。双合唱。何度かの休憩を挟み、ライブが続いていく。

「ああ、凄いですね、なんだかエネルギーがあるというか」

心にも無いことを適当に言ってあわせながら、あまりの暗黒ぶりに太一郎はおののいていた。あまりにも波長が合わない。心が闇のように黒くなるような、そんな音楽

へとへとになって店外に出ると、「革萌」と書いたヘルメットをかぶった人たちが来ていて入れずにブルーシートを引きだしていた。

「なんだよ呼ばれてきたのに中に入れないのかよ!ひどいよ!」

外に出る太一郎。入れ替わりに2名ほど中へ入る。

屋外で楽しそうに立ち話する革萌の人たち。奥へ奥へと動いてついにカウンターの中に入ってしまった彼女

「象徴的だな…」

店内で最後の最も盛り上がる演奏が行われる中、太一郎は暗い暗い空を見上げて微笑み、自販機缶コーヒーをちびちびと飲み続けるのだった。

(おわり)

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