最初それとは知らなかったんだけど、先輩が「なんか宗教っぽいところ」だと教えてくれた。
料理は普通のものだけど、持ち込みドリンクでその会社の商品を出してくれ、と。
なんだか微妙な濃縮ジュース。見るからにおいしくなさそうだった。
有名どころ(とはいえア○ウェイとかニュー○キンくらいしか僕は知らない)じゃない、比較的無名らしい会社だったけど
化粧品と健康食品という原価の安い商材としての基本は押さえているようだった。
老若男女、さまざまな人々が500人以上一堂に会する。
中にはDSliteを手にした小学生が親に連れられてきていたり、腰の曲がったお年寄りが娘に伴われていたりもする。
テーブルごとにリーダー格の人がいて、そのヒトはなにやら妙なストール的なものをまとっている。
どうやらこれが販売者(代理店)の印のようだ。
握手をして、時には固く抱き合って挨拶をする。ここって日本だよね?
会場のモニターには某南国リゾート地のステキなビデオがえんえん流れている。
何十年もの歴史があるんだね。そりゃ安心だね!ってことか?
他地区のトップセールスレディーがお決まりのスピーチをする。
テーブルでも代理店らしきおばさんと連れて来られたらしい女性の間でいかにもな会話が行なわれていた。
その後料理を楽しみつつショーがあって、ビンゴタイムがあって…なんてのは普通っぽいんだけど
壇上に販売代理店の人たちが集まってのダンスタイムまであった。
まさに宗教的。汗だくでマイクの掛け声にあわせて手足を思い思いに動かしている。
10分は続いただろうか。
それが終わって運動後のお客様たちにドリンクをサーブしているところへ、畳み掛けるように販促キャンペーンの紹介が始まった。
たくさん売ったらこんな景品がありますよーってか。
ご招待への条件クリアにはサプリメント(1瓶5000円)なら100本分、化粧水(1本4500円)なら120本分、
あ な た が ほ ん の 少し頑張るだけで、ステキなリゾートへの旅行をプレゼント!
会場大盛り上がり。拍手の渦。歓声。
○○地区のだれそれさん、と呼ばれて、販売代理店の人が順に壇上へあがっていく。
宣言。
「わたしは今シーズンにXXを△△ポイント分販売します!」
また大きな拍手。熱狂。
誰に売るんだろうか。あてはあるんだろうか。
腰の曲がったおばあさんは使いもしない化粧品やサプリを大量に買わされてはいないだろうか。
DSliteに飽きて会場内を走り回っていた少年は友人を失わされてしまったりはしないだろうか。
そんなことを考える暇もないくらい忙しい中で、僕の初出勤は終わった。
濃厚なジュースってあれか、マークパンサーのやつか?
違いました。 でも似たような感じでした。 つーか高過ぎだろマークパンサー……1リットルで14000円とか誰が買うんだよ… 1日分でも700円以上するじゃねーか……