2020-07-25

鳥が襲われた痕跡

実家の裏山を散歩していたら、鳥が襲われた痕跡があった。キツネイタチ、いや野良猫仕業だろうか。

雑草緑色と枯れ葉の茶色が続く獣道が、突如として散り散りになった羽毛の白と黒に覆われ、独特の生臭さが漂っていた。

雨天のせいか、まだ乾き切っていない血痕の赤は所々鮮やかで、数本の骨が残っていたものの胴体や頭部といった原形は残されていなかった。

血液臭いを嗅ぎ付けたのか、辺りには大量の蚊が舞っていて、その下をシデムシのような黒い昆虫が数匹うろうろしていた。

鳥の羽は最大でも15cm程度で、色はカラスのそれに似た黒と灰色だったが、形のしっかりしたものは少なかった。

それよりも2~3cmの小さな反り返った羽が大量に残されており、遠目に見ると、その辺りだけ雪が積もったようだった。

鳥が残した最期抵抗が、季節外れの異様な色合いとなって、私を足留めした。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん