2017-04-13

法事のお膳が悲しかった

田舎実家では、法事となると親戚を集めて宴会が催されていた。

なんせ田舎なので家が無闇に広くて、襖を外して30畳くらいの和室を作ってワイワイやる感じ。

そこではいつも、仕出し弁当屋さんが持ってくるお膳を食べていたのだが、どれもこれも作り置きで冷めていて、固形燃料の土瓶蒸しが辛うじて暖かさを得られた。

冷めた料理の中でも、伊勢海老を半分に切ってグラタンぽく焼いたやつ(料理名がわからないが洋食ではない)がとりわけ食いづらくて悲しかったのを覚えている。

大人になった今なら、酒を飲みながら、大人同士の話をしながらであれば、あのお膳も美味しく食べられるのかな、と思うのだけど、あの場にいた爺さん婆さんたち、みんな亡くなったんだよなあということに気づく。

今は、あれはなんだったのか、を確認できないのが悲しい。

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