2010-05-06

エロゲーを遊んでいた頃の話

http://togetter.com/li/18895

これ見て昔思い出した。

自分の周囲はエロゲーは金払って買うという意識がほとんどなかった。

買いに行ったけど売ってなかったとこぼしたら『なんでわざわざ無駄遣いするの、それなら焼いててあげるのに!』と、気の毒な人でも見るように言われて驚いたが、それは周囲のエロゲーをやる人間にはごく普通感覚だった。

 

実際買う人は一握りで、みんなどこかからまわってくるコピーのそのまたコピーのもうどこまでコピーされたかもわからないものを拡散させていた。

ベルのないCD-Rに『親切』で付けられたタイトルや修正パッチを落とすようにと添えられたメモ、そういったコピーだ。

 

周囲はオタクだ。

同人誌を書いたりするタイプも多かった。

作る楽しさも、苦しさも、知っているはずの人たちだ。

だが、そこには『タダで手に入るものをわざわざお金払うなんてもったいない、かわいそうだコピーしてあげよう』という、空気、があった。

わざわざ買う奴は変わった奴という扱いを受けるが、それでも買った奴ということで今度はなんでもないことのようにこう言われる。

『そうだ、○○持ってるんだよね、コピーさせてよ』

そういう、空気だ。

 

コピーされたゲームはほとんどがちゃんと遊ばれないのも普通だった。

ツールで画像を全部抽出して、眺めるだけ。

『多すぎて遊ぶヒマないから』、だそうだ。

エロゲーはまともにつきあう必要のないもの、という空気だった。

でもLeafKeyは最高だと言い、彼らは何冊も何冊も同人誌を作っていた。

コピーで手に入れたゲームを褒めながら、そうやって楽しんでいる空気があった。

 

空気を読まない奴は、なんとなくそこから浮く、浮きたくなかったら空気は読まなくちゃいけない。

そんな風に思いながら、コピーしたり、コピーされたものを受け取って生きていた。

でも本当は嫌だった。

金が足りないなら買わない、諦める。

それでいいじゃないか。

話題の新作を追う必要がどこにある。

それ以前にこれは盗みじゃないのかと思っていた。でも言えなかった。

 

空気を読めない奴と思われるのが、怖かった。嫌われるのが怖かった。

それでも本当はあんな『空気』なんて、読む必要はなかったのに。

  • それ、19何年くらい?

    • 1997~2001年ぐらいではなかろうか。 そういや元話題のブクマに「葉鍵が協力してエロゲの認証系を云々」みたいな話があったが、 詳しくない人はやはりエロゲといえば葉鍵という印象が...

      • 1980年代中頃から終わり頃にかけて、中古ソフト屋が幅を効かせていたんだけど、 コピーツールとソフトを買って家でコピーし、元ソフトをその中古ソフト屋に売りに戻すのがよくあった...

        • 90年代後半になると、そういうコピーツール商売でやってるところはなくなっちゃってた。 CD-Rが個人に普及し始めて、誰かがどこかからコピーしてくるものが身内で回る。 入手元はWebサ...

  • Keyの掲示板に「布教のために今日はCD○枚焼きました」って人がいたよね。 でもあの教義のためなら神をも殺す勢いの連中と「購入厨涙目www」って人たちとの間には大きな差がある...

    • Keyの掲示板に「布教のために今日はCD○枚焼きました」って人がいたよね。 でもあの教義のためなら神をも殺す勢いの連中と「購入厨涙目www」って人たちとの間には大きな差があ...

      • 言葉足らずで布教目的なら違法コピーは許されるべきだって主張に読まれかねないぞ 当時のKeyのBBSには「布教目的なら違法コピーは許されるべきだ」というような人がいたと言うお話...

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