2010-01-18

学生時代クラスで気になる娘がいた。

大人しく清楚で、そこはかとなく白百合を感じさせるような娘だった。

もちろん俺は会話したことなく(その子自身、特定の真面目グループとしか会話してなく)俺の一方的な片思いだった。

その年の秋の文化祭クラス喫茶店を行った。

偶然、その娘と同じシフトとなり、打ち合わせで初めて会話することが出来た。

実際会話してみると暗い娘なんかではなく、俺のつまらないジョークにも心から笑ってくれた。

文化祭自分達のシフトの時にお客さんが多かったことに二人して喜んだ。


文化祭が終わった後、俺は思い切ってその娘をデートに誘った。

「どこに連れて行ってくれるの?」

意外にも、その娘は小悪魔のような瞳を輝かせてOKしてくれた。


初デートには映画を選んだ。

まあ、二流の恋愛物だったが、途中、その娘の手をそっと触ると、強く握り返してくれた。


映画の後にボウリングに誘ったのはほんの気まぐれだった。

なぜその娘の瞳が輝いたのかは、その時には理解出来なかった。

ボウリングやったことある?」

俺の質問に「う、うん」とあいまいな返事が返ってきた。


ボウリング場でその娘が15オンスボールを選んだ時、俺の中の何かが警告音を発した。

その娘の運命の第一投、

完璧なフォームから投じられたボールスピンを描いてピンを全てなぎ倒した。


「ょっしゃーー」


ガッツポーズで振り返るその娘の笑顔と共に俺の初恋は終わった。

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