2010-01-12

反面教師

 長年ずっと、どうして母はよそのお母さんと違うのだろうと思ってきた。

 自分の気分で叩く。子供がやりたいと言ったことは邪魔する。「きれいな洋服を買ってきたわよ」と言って私に着せては「あんたには似合わないわね」と罵る。

 小学生くらいまでは母の期待に応えられない自分が悪いのだろうと思って、勉強に励んでみたり、おしゃれに励んでみたりした。何をやっても蔑む言葉しか返ってこなかった。

 中学生のころは毎日朝が来なければいいのにと思っていた。

 高校生になったころから、母は私をいじめるために産んだのだと考えるようになった。父は母をいじめている。母がいなければ家の中が回らなくて困るくせに、母が仕事に出たいと言っても「じゃあ、誰が家事をするんだ。そのために娶ってやったのにサボるんじゃない」と反論して封じ込めるくせに、何か母が社会のことについて言おうものなら「お前は社会仕事をしたことがないから無知だ」とあざ笑う。「離婚すれば」と何度も薦めたが「そしたら生活できない」と取り合わない。そして、母は父に反抗する代わりに私をいじめるのだ。

 高校を出てすぐ家を出て就職した。自分で稼げば自由になれる。結婚して子供を産んだ。子供の付き合いから、改めて、よそのお母さんを見る機会を得た。

 どんな性格のお母さんも、自分子供には愛しげなまなざしを向ける。改めて、私の母が私をいたぶるためにしか必要としていないことが哀しくなった。

 

 今朝、ふと、ああ、母のようになってはいけないんだ、と思った。母のような態度で子供に接してはいけないんだと思った。

 気まぐれに子供を叩いてはいけない。子供がやりたいと言うことを邪魔してはいけない。子供努力をあざ笑ってはいけない。

 ありがとう。お母さん。私、あなたのおかげで、子供幸せにしてやれそうです。

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