2009-02-22

 原油の需要について。

 戦争でも起きない限り、当面、減る事はあっても増える事はないのであるが、だとすると、どのくらいの価格が妥当なのかという話になる。40ドル以上では需要がしぼむばかりであるし、かといって、20ドル台に突入してしまうと、原油の輸入を必要としている国家地域中東原油を買うしかなくなり、中東の発言力が大きくなりすぎて厄介である。

 ということで、需要面では安ければ安いほど良いのだが、地政学的には、30ドル台をうろうろしているのがcomfortableとなる。

 ただし、原油の輸入や精製が独占状態になっていると、その部分で利幅を取る動きが出てきて、結果的に、小売価格が下がらないという事態もありえる。需要を喚起するのに妨害となっているのは、燃料に対する環境目的の懲罰的課税だけでなく、規制や許認可による新規参入障壁がカルテルを形成しやすい環境を発生させ、結果的に、価格が吊り上がるという事もあるのだ。

 需要が全体的に減少している為に、ガソリンスタンド等の小売業者が利幅が薄くて困っていても、輸入や精製といった寡占体質の業界では、利幅を厚く取れるという展開が、十分にありえる。市場に任せるならば、徹底的に任せるべきであり、中途半端規制や許認可が残っている状態が、一番不合理な事象が発生しやすいのである。

  • 原油は本質的に土地に依存するから、政治からの影響を免れ得ない。 (CO2削減の話も中東への牽制の意味合いが大きい。だからこそアメリカは及び腰になってる) 産業としての原油の今...

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