上司である課長に死亡予定者が書かれたカードを渡される所まで、同じ。
一定の確率で理不尽な死を与えられるという、最も根幹にあたる設定も同じ。
確かに似過ぎている。
重要な相違点は、イキガミには宣告から死までの間に24時間の猶予があるという事で、イキガミではそれこそがドラマの基本になっている。
だから、ドラマの仕立て方は全く異なる。
生活維持省はあっという間に終わってしまい、イキガミではドロドロしたドラマが繰り広げられる。
主人公の心情もそれに応じて決定的に異なる。イキガミの主人公の作中における役割も、これからさらに変わってくるのではないだろうか。
生活維持省の主人公と同じ道を辿る事は、無い筈。これは完全に別のドラマだ。
ただ、設定に一点、気になる部分がある。
間引きの「目的」だ。
生活維持省における目的は、タイトル(役所名)でも明らかで、人工を抑制して健全な生活を維持する事。それ自体は古来からある発想であり、ストレートで分かりやすい。
イキガミは、死への危機感によって生命の価値を認識させるという物で、自分には正直ピンと来ない。そんなまだるっこしい事の為に1000分の1の死、というのでは余りに理不尽に思える。本当にそれで「国家繁栄維持」が出来るのか?
敢えてストレートでない、捻った設定を作る理由。自分には、その理由は一つしか思い当たらない。
ただの箇条書きマジックじゃないの? イキガミは明らかに赤紙からの発想だろうし。