夜遅く、もう寝ようかと思っていた頃に、彼女からメールが来た。
「今日は職場の人と叙々苑に行ったよ! 全部奢ってもらっちゃった」
僕は、「叙々苑いいなあ……」と返した。
「叙々苑って高いの? いつの間にか会計済ませてて大人だなーって思った」
「だって芸能人ご用達だもん」
「そうなんだ。でも、その人の会計の済ませ方にちょっとどきどきしちゃったw」
「ほんと羨ましいよ……」
すると、彼女が、
「○○って嫉妬とかしないよね。まあ、いいけど……」
と送ってきた。
僕は、
「いやー、だって、お前、おれのことが一番好きっしょ?w」
とかふざけ半分に返し、消灯した。
寝床でいろいろ考えた。
相手の嫉妬を誘発するような言動って、大人はしないと思う。僕だったら、女子と二人で晩ごはん食べたりしても彼女には言わない。だって、別に浮気するつもりはさらさらないし、だとしたら相手の感情をかき乱すような発言をしてもしょうがない(まあ、浮気するつもりがあるなら、なおさら言わないだろうけど)。喋ってしまいたいことがあっても、相手の反応を想像して、場合によっては自分の心の井戸の中にだけ叫ぶのが、立派な大人ってものじゃないのか?
しかし、続けて、書いた増田への反応を想像したら……「彼女が可哀そう」、「彼女は不安に思ってるからそういうこと言うんだよ。もっと愛情を伝えてあげて!」、「こんなとこに書いてる場合じゃないだろ」、「なんで自分は浮気されないって確信してるんだろ?」、「リア充死ね」などとフルボッコされることは確実。
しかし、まあ、それらの反応ももっともなことだと思い、寝床から起き上がって、彼女に、
「念のため言っておくけど、お前のことは世界一愛してるぞ」
とメールを送った。
すると、彼女から、
「ちょっと拗ねてたところだった。ありがと」
という返事が来た。
メール送ってよかった。増田のみんな、ありがとう! まだこの時点で増田に一行も書いてないけどw
脳内増田に書き込み、脳内ブコメや脳内トラバに煽られ、脳内アドバイス通りに実行したらうまくいくなんて、おれはどんだけはてなっ子なんだと思った。